2023年2月27日の素話(屏風の虎、化け猫の化かされ負け、不思議なしゃもじ)

目次

今日はまた、つくしグループ、たんぽぽグループ、すみれグループのそれぞれにお話をしました。

屏風の虎(つくしグループ)

一休さんのエピソードで有名なお話です。子どもたちが知っているかもしれないお話をわかりやすくしていくことで、お話に入り込みやすいようにと思って話をしてみました。

半分ぐらいの子どもはお話を聞きたいと感じているようですが、半分ぐらいはお話を聞く機会が少なかったのか、大人の話を聞く準備ができていませんでした。もう少し、子どもたちが大きくなってきたら大人の話や素話も聞けるようになるのかなと感じています。

段々と暖かくなってきたこともあり、早く外遊びに行きたい気持ちが強かったのかもしれません。次にお話を聞くときに楽しめる様になっていたらいいなぁと思っています。

 

ストーリーとしてはよくあるお話ですが、「屏風」のイメージが難しいだろうと思ったので「虎の絵」に変えておきました。今の子ども達には伝わらない言葉は作り変えてしまうこともよくあります。それが良いのか悪いのかは悩ましいところです。

鬼の化かされ負け(たんぽぽグループ)

何度も同じ話(2019年6月17日「鬼を一口」2021年5月10日「化け猫の化かされ負け」)をしています。話が段々と上手くなるのでは?と期待していましたが、期待外れだったようです。

山奥に小僧が行く、鬼や山姥や化け猫に一晩泊めてもらう、夜中に包丁を研ぐ音に驚いて逃げ帰り、お寺の住職が上手に手玉に取って小さくしてやっつけるという、展開があって楽しめるストーリーです。個人的にはわかりやすくて好きなのですが、話を聞くことになれていない子どもにとっては少し難しいのかもしれません。

絵本をたくさん読んでもらって、その中で「絵を見ること」だけでなく、「物語を聴くこと」が出来るようになった子どもたちは、お話の流れについていくことが出来るのですが、そうでない子どもは、包丁を研ぐ「シャー、シャー」という音にしか反応ができなくなってしまいます。

以前たんぽぽグループの子どもたちにお話をしたときに、今はまだ物語を楽しむことが難しいと感じている子どもが多そうだったので、今回はかなり短く改変しました。

お寺の和尚さんに頼まれて、小僧が筍を掘りに行くことになった。和尚さんは小僧に「いいか、あまり山深くまで行くなよ、それから夜遅くなるなよ。山の奥深くは夜になると鬼が出るからな」と言い聞かせました。ところがこの小僧は和尚さんの話を聞かないため、ずんずん山奥に入っていって、結局鬼に襲われて逃げ帰ります。

命からがら逃げてきた小僧を出迎えた和尚は、鬼に向かって「勝手に人の寺に来て”小僧を出せ”とは失礼なやっちゃ。そこまで言うならわしに頭を下げて頼み込むか、一つ面白いものでも見せてみよ」と上手に立場を逆転させています。それに釣られた鬼が大きくなって見せても和尚さんが一向に怖がらず、それどころか「大きくなることなど誰にでも出来る、どうじゃ、小さくなれるのか?小さくなれるのなら頼みを聞いてやろう」とここでも上手に誘導し、小さくなったところをプチっと一捻りにしてしまいます。

この鬼の大きさが変わることや小さくさせるために和尚さんが色々と工夫するところは物語をしっかりイメージできないと楽しめません。また定期的に子どもたちに話をしてあげようと思います。

不思議なしゃもじ(すみれグループ)

お話を聞くというよりも、自分から楽しみに来ているすみれグループの子どもたち。新しいお話でも十分について来ることが出来るようになりました。

今回はお尻を叩くとおしりからおかしな音が聞こえてくる不思議なしゃもじを拾った男の話をしてみました。練習不足で擬音が無茶苦茶になりましたがそれもまた、おかしな話として子どもたちは楽しんでくれたようです。

馬のお尻を不思議なしゃもじの赤い方でスパーンと叩くと、お尻からおかしな音が鳴り続けて、黒い方で叩くと音が鳴り止むと同時に、何故かとても元気になるという摩訶不思議なしゃもじです。

馬を元気にした若者はおかしな音が鳴るけど病気が治って元気になる不思議なしゃもじを持っているととして有名になり、たくさんの人を治してお金持ちになりました。そんな若者の噂を聞きつけて、思い病に冒されたお姫様の家来が「姫様の病気を治してほしい」と若者のところにやって来ます。

若者は悩んだ末に「お姫様、お尻からおかしな音がしますが、本当にいいですか?」と聞いてからお姫様のお尻を不思議なしゃもじでスパーンと叩く、そんな次の展開が読めるけれど、とにかく最後まで聞いてみたくなるお話でした。

お話を聞く準備

素話は話し手の魅力が無ければほとんど聞いてもらえません。今回もほとんど聞いてもらえなかったグループが多かったので、この辺は反省点です。

それとともに、絵本を使って「話を聞く」ということを練習することも必要になります。難しく考えずに、絵本をたくさん読むこと、特に子どもが好きな人から絵本を読んでもらうことを数多くしておくことが「お話を聞く準備」となります。

準備が出来ていても出来ていなくても、成長とともに人の話を聞くことができるようになるのですが、「イヤイヤ聞く」のと「ワクワクして聞く」のであれば「ワクワクして聞く」回数が1回でも多いほうが、子どもたちにとっては幸せだと思います。だからこそ、大人の話を聞くことが「ワクワクして聞く」ことになればいいなと思っています。

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