2019年6月17日の素話

今日もたんぽぽグループとすみれグループの子どもたちが一緒にお話を聞いてくれました。

水族館のお話や忍者のお話はなかなか見つからず、今回も私がすきな「化物」のお話となってしまいました。

5分以上話をしていましたが、子どもたちはしっかり集中して聞いてくれていました。

 

鬼を一口

ある所に一人の小僧がおったそうな。

その小僧、とにかくあっちへフラフラこっちへフラフラと落ち着きがなく、大人たちもちょっと困っていたそうな。

ある日その小僧が山の中で栗拾いをしていると、ふっと目の前に背の高い大男が現れた。びっくりしている小僧に大男は「おい、栗拾いをしているのか、それならもっとたくさん栗が落ちているところへ連れて行ってやろう」と山の奥の方へ歩いていった。小僧は少し怖いと思ったが、「もっと栗が拾えるんだ」と少しだけワクワクしながらその大男の後をついていったんだ。

山の奥の方へ行くと辺り一面栗が落ちているところがあり、小僧はやったやったと大喜びして栗を拾い続けていたんだ。

気がつくと辺りは暗くなってしまっていて、帰り道もわからなくなった小僧は泣きそうになって大男を見たんだ。すると大男が「今晩は俺の家に泊まっていけ、美味しいごちそうをたくさん食べさせてあげるよ」と言ってくれた。小僧は大喜びで大男の家でごちそうを食べたんだ。

夜になって小僧が布団で寝ていると、隣の部屋から「シャー、シャー」っと何かがこすれる音が聞こえてきたんだ。小僧はそ~っと布団から抜け出して音を立てないようにそっとふすまを開けたんだ。すると隣の部屋では、体中が毛むくじゃらで、真っ赤な目をした化物になった大男が小僧を食べるために「シャー、シャー」っと包丁を研いでいたんだ。

びっくりした小僧は「ヒィ」と声を出してしまったんだ。その声を聞いた化物はギロッとこっちを見て「見たな!」と言って小僧に近づいてきたんだ。間一髪、化物から逃げた小僧は急いでその家から飛び出して、近くのお寺に逃げ込んだんだ。

お寺の和尚様は小僧をお寺の奥に隠すと、お寺の前で化物が来るのを待っていたんだ。

ドシンドシンと足音を立てて追いかけてきた化物が、和尚様に「この辺に小僧が来なかったか」と聞いたんだ。和尚様は「さて、どうだったかな。お前がアリンコになったら教えてやろう」ととぼけたんだ。

すると、化物は「お安い御用だ」とボンッと煙を吐いてあっという間に小さな小さなアリンコに化けたんだ。それを見た和尚様は、指先でプチっと化物を潰してしまったんだ。それ以来、山で小僧を騙す化物はいなくなったんだって。

 

子どもたちの様子

お話が始まる前に、本物の竹で作った水鉄砲を見せて、少しだけ”導入”をしました。今回のお話は森の中が舞台なので、少しでも自然のものをイメージしてもらえればと思い見せてみました。いずれ子どもたちがこの水鉄砲で遊んでくれれば嬉しいなと思います。

お話の中で「小僧」とか「大男」という言葉が出てきます。日常会話ではあまり出てこない単語なので、何名かはその言葉だけで「面白い」と感じて笑ってしまっていました。ですが、お話が中盤になり、小僧が食べられそうになるところでは、イメージの中に「小僧」の姿が現れていて、「大男」から「化物」に変身した姿もイメージできたのでしょう。言葉自体は気にせずに、ストーリーを楽しめるようになっていたようです。

最後に和尚様が「プチっ」と化物を潰してしまうところは、同じタイミングでほとんどの子どもたちが笑っていました。ということは、聞いていた子どもたちはみんな「ここがオチだ」とわかったのでしょう。素話はよくある展開や繰り返しがたくさん出てきます。オチも非常にわかりやすいものを選ぶようにしています。期待通りに終わることは、子どもたちの心の中に「安心感」をもたらしてくれるのではないかと期待しています。

水遊びが始まると少しの間素話はお休みになります。その間に地元のお話や世界のお話などから面白いお話を探しておこうと思います。

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