2021年6月14日の素話(寿限無)
度々登場するというか、私自身が好きなお話なので何度もやってしまうのですが、今回も寿限無のお話です。
寿限無
みんなにも名前があるでしょう?名前っていうのはとっても大切なものなんだ。だからみんなのお父さんとお母さんがみんなの名前つけるときには、一生懸命考えたんだよ。
それは昔も一緒で、昔の人も名前をつけるのに一生懸命考えたんだ。男の子が生まれた夫婦もなんて名前がいいだろうね?と悩んでいた時に、「やっぱり偉いお坊さんに良い名前をつけてもらうのがいいだろう」ってことで、お寺に行ったんだ。
そこでお寺の和尚さんに「この子に良い名前をつけて下さい」って頼んだんだ。和尚さんは「この子にどんなふうに育ってほしいんだい?」って聞いてきたから「長生きしてもらいたいです。それから幸せなことがたくさんあるように願っています。今は「長助」なんかがいいんじゃないかと思っています」と答えたんだ。
和尚さんは「そうか、ならば幸せなことがたくさんある、という意味の「じゅげむ」が良かろう」と教えてくれたんだ。
夫婦はキョトンとして「じゅげむですか、寿限無、寿限無、ありがたい名前ですね。わかりました。ではこの子の名前は「寿限無 寿限無 長助」とします。といったんだ。
すると柱の陰から別の和尚さんが現れて「ちょいと話が聞こえてきたんで、一言いいかい?この子には長生きしてもらいたいんだろ?だったら、とっても長いという意味の「五劫の擦り切れ」をつけたほうが良いだろう。これはとっても長いときという意味なんだ。」
夫婦は「おお!それはいいことを聞きました。ではこの子の名前は「寿限無 寿限無 五劫の擦り切れ 長助」としましょう。」といったんだ。
ところがまた奥から「ちょいと話を聞かせてもらったよ」と別の和尚さんが出てきて「その子には幸せなことがたくさん起きてほしいんだろう?だったら海の魚や砂粒のようにたくさんあるという意味の「海砂利水魚」というのがいいはずだよ。」と教えてくれました。
そして、更に奥からわらわらと沢山の人達が出てきて、たくさんの素敵な名前を考えてくれました。
そこで、この子の名前はこうなりました。
「寿限無 寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚 海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末 食う寝るところに住むところ やぶら小路のぶら小路 パイポパイポ パイポのシューリンガン シューリンガンのクーリンダイ クーリンダイのポンポコナーのポンポコピーの長久命の長助」
夫婦はとっても喜んで、「いやーいい名前をもらったねぇ、たくさん幸せになって長生きするんだよ、私達の、、、寿限無 寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚 海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末 食う寝るところに住むところ やぶら小路のぶら小路 パイポパイポ パイポのシューリンガン シューリンガンのクーリンダイ クーリンダイのポンポコナーのポンポコピーの長久命の長助や」
それを聞いた和尚さんたちもニコニコ笑って「おーおー、可愛い笑顔をしておる、その、、、寿限無 寿限無 五劫の擦り切れ 海砂利水魚 海砂利水魚の水行末 雲来末 風来末 食う寝るところに住むところ やぶら小路のぶら小路 パイポパイポ パイポのシューリンガン シューリンガンのクーリンダイ クーリンダイのポンポコナーのポンポコピーの長久命の長助くんは」と息も絶え絶えに名前を読んでいたんだって。
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