2021年5月31日の素話

今回も有名なお話です。少し長すぎたかもしれません。

次回はまた妖怪のお話にしてみようかと考えています。

アラジンと魔法のランプ

昔々あるところにアラジンという貧乏な少年がいました。

ある日アラジンのところに一人の男がやってきて「お前をお金持ちにしてやるからついてこい」と言いました。アラジンはその男について言ったのですが、実はその男は悪い魔法使いだったのです。アラジンは騙されて、大きな穴に落とされてしまいました。

穴の上から悪い魔法使いが言いました。「その奥にある古いランプをもってこい。そうしたら助けてやる。お守りとしてこの指輪をやる」といって指輪を放り投げました。
アラジンは仕方なく指輪をつけて穴の奥を探しました。すると古ぼけたランプを見つけました。

ランプを持って穴の出口に行くと、穴の上から悪い魔法使いが怒って叫びます。
「遅いぞ早く持ってこないか」
アラジンは酷く疲れていたので、「少し待ってくれ。一休みしたらそっちにいくから」と言って穴の奥に戻っていきました。

悪い魔法使いはアラジンがランプを横取りするのだと思って、ますます怒りました。そして、「アブラカタブラ」といって穴の入り口を塞いでしまったのです。
困ったアラジンは神様に祈るように両手を合わせると、突然目の前に恐ろしい顔をした魔神が現れて、こう言いました。

「私は指輪の魔神です。願い事があれば叶えてあげます」

アラジンは「家に帰りたいのです、家に帰してください」と魔神にお願いすると、「お安い御用」と明るい声で言いました。すると次の瞬間、アラジンはランプを持ったまま家に帰ることが出来たのです。

アラジンは貧乏だったので、せっかく持ち帰った古ぼけたランプを売ってお金にしようと思いました。そして、少しでも高く売れるようにと、ランプをゴシゴシこすって磨いてみました。すると、また大きな魔神が現れました。

「私はランプの魔人です。願い事があれば叶えてあげます」

ランプの魔人は指輪の魔神よりもずっと大きく、ずっと力がありそうでした。

そこで、アラジンは「美味しい食べ物を持ってきてくれ」と頼むと、魔神はたちまち美味しいごちそうをたくさん出してくれました。アラジンは「お金もたくさん出してくれ」というと、魔神は家から溢れそうなほどの金貨を出してくれました。こうしてアラジンはあっという間に大金持ちになりました。

この噂を聞いた王様は、アラジンを気に入り、王様の娘のお姫様と結婚させました。
アラジンはとても親切で魔法のランプを使ってみんなの願いを叶えてあげていたので、国中の人から好かれていました。ただ一人、アラジンのことを嫌いだった人がいます。

悪い魔法使いです。

ある日悪い魔法使いはアラジンがお城を留守にしている時にこっそりとランプを盗み出していきました。そして魔法の国でランプをこすって、魔神に「お姫様を連れてくるんだ」と命令しました。

ランプの魔人はお姫さまを抱えて、空を飛んで魔法の国に連れて行ってしまいました。

驚いたアラジンは、慌てて追いかけますが、ランプの魔人はとても大きく強いので、どうしたらいいか困っていました。

そして頭を抱えていると、指輪の魔神を思い出したのです。アラジンは指輪の魔神にお願いして、魔法使いだけを眠らせる薬を作ってもらいました。そしてアラジンはその薬を魔法使いが大好きなワインこっそり混ぜたのです。

魔法のランプとお姫様を手に入れた悪い魔法使いは大喜びをして、たくさんのワインを飲んでいました。次から次へとワインを飲んでいるうちに、アラジンが眠り薬を入れたワインも一気に飲んでしまいました。

たちまち眠たくなってきて、悪い魔法使いはグーグー眠ってしまいました。

そのすきにアラジンは魔法のランプを取り返して、ランプの魔人にお願いしました。

「この悪い魔法使いを深い穴の中に閉じ込めてくれ。でも一人でお腹をすかせてしまったら可愛そうだから、パンのなる木とワインが湧く泉も一緒に作ってくれ」

すると魔神は「お安い御用」とグーグー寝ている悪い魔法使いを穴の中に落として、その穴の底にパンのなる木とワインの湧く泉を作りました。

こうしてアラジンはお姫様と末永く暮らしました。

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