2021年5月17日の素話(アリババと盗賊のお話)

外国の有名なお話です。「開けゴマ!」という不思議な魔法を聞いたことがあるかもしれません。子ども達でも分かるように少し簡単にしてお話してみました。

アリババと盗賊のお話

昔々ペルシャという国にカシムとアリババという兄弟がいました。
兄のカシムはお金持ちでしたが、弟のアリババはとても貧乏でした。

ある日アリババがロバを連れて森を歩いていると、泥棒たちが馬に宝物をたくさん載せて歩いてきました。アリババは慌てて隠れると、泥棒たちは大きな岩の前で立ち止まりました。

何をするんだろう、とアリババが隠れてみていると、泥棒のリーダーが大きな声で「開けゴマ!」と叫びました。すると目の前の大きな岩が音も立てずにスーッと動いて、大きな洞穴が見えてきました。

泥棒たちは馬を連れてその洞穴の中に入っていきました。

しばらくすると、泥棒たちは洞穴から出てきて岩の前で「閉じろゴマ!」と叫びました。すると岩が音も立てずにスーッと動いて、洞穴を塞いでしまいました。
そして、またどこかへ行ってしまいました。

「これはすごい、魔法の呪文で岩が動くんだ」と感心したアリババは、泥棒たちの真似をして、岩の前で「開けゴマ!」と叫びました。すると岩が音も立てずにスーッと開きました。
洞穴の中に入ると沢山の宝物がありました。ここは泥棒たちが宝物を隠している場所だったのです。

アリババは宝物をロバの背中にいっぱい積んで家に帰りました。

お兄さんのカシムはたくさんの宝物を持って帰ってきたアリババを見て、「この宝物はどこで手に入れたんだ?どこで手に入れたか言わないと、警察に突き出すぞ」と言いました。アリババは素直に今日の話をしました。

兄のカシムは残りの宝物を独り占めするために、次の日に洞穴へ行くことにしました。

次の日、カシムが岩の前で「開けゴマ!」と叫ぶと、音も立てずにスーッと岩が動き、洞穴が出てきました。カシムは後から誰も入ってこないように「閉じろゴマ!」と言いました。すると音も立てずにスーッと岩が動いて閉じました。

これでゆっくり宝物を集められるぞと、洞穴の隅から隅まで宝物を集めて回りました。とてもたくさんの宝物だったので、カシムは夢中になって集めていました。

さあたくさん集まったから帰ろうかと思ったカシムが岩の前に来て、魔法の呪文を唱えようと思ったのですが、宝物集めに夢中になりすぎて、魔法の呪文を忘れてしまいました。

「ひらけムギ!、ひらけトウモロコシ!、ひらけカボチャ!」どれも間違っていて岩は開きません。そうこうしているうちに泥棒たちが帰ってきて、カシムは見つかってしまいました。泥棒たちの宝物を盗もうとしていたカシムは泥棒たちに殺されてしましましたとさ。

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