2023年6月26日の素話(まんじゅうこわい・ライオンとネズミ)
目次
毎週の素話の時間は水遊びが始まるのでしばらくお休みになります。ということで、今日はとにかく聞いていて楽しくなるようなお話を選んでみました。
ライオンとネズミ(たんぽぽグループ)
イソップのお話です。絵本にもなっているので読んだことがあるかもしれません。
今回は子どもたちに「強い動物って何?」と聞いて答えてもらうようにしてみました。集団で話を聞いているときには感じにくい「自分ごと」感を持ってもらう工夫です。
一人ひとりと目線を合わせながら話をすることは多いのですが、「何だと思う?」と聞かれた時は、「自分と1対1で話をしている」と実感出来ます。慣れていない子どもも多いので、今回はあまり引っ張ることはしませんでした。
お話
ライオンは強い。そんなライオンが昼寝をしていると、ネズミが一匹ちょこちょこと背中を歩いていた。ネズミは黄色いフカフカの絨毯みたい!と楽しそうにくるくる回ったり飛び跳ねたりしていた。するとライオンが目を覚まし、ネズミを捕まえて食べようとする。
驚いたネズミはライオンに心から謝って許してもらえるようになった。そして「今度ライオンさんが困っているときには僕が助けるよ!」と偉そうな口ぶりで答えてライオンを呆れさせた。
しばらく後にライオンが人間の罠に捕まってしまった。どうやっても逃げられないと思った時、あのときのネズミがやってきて、檻を壊して逃してくれた。
説教部分は軽く、楽しい記憶を残したい
イソップの物語には様々な「お説教」が込められていることも多いのですが、今回はお説教ポイントはサラリと流して、頭の中で小さなネズミと大きなライオン、困ったライオンと頑張るネズミのようなイメージを持ってほしいと思って取り上げました。
子どもたちが「楽しかった」と感じたときにはきっとお話のイメージや想像上の場面が頭の中に残っていることだと思います。いつかきっとそのイメージが活きてくることがあると信じています。
まんじゅうこわい(すみれグループ)
これも何度も話してきたものですが、子どもたちに「怖いもの」を聞いてそれを使って話をすることにしました。
「鬼」が怖いとか「のっぺらぼう」が怖いとか、子どもたちはそれぞれ色々なものを怖がっていますが、その「怖いもの」を面白おかしくやっつけたり食べてしまったりすることで、なんだか面白そうな話が始まるぞ~という雰囲気を作ってみました。
「蜘蛛が怖い」「蛇が怖い」「アリが怖い」などと様々なものを怖がる男たちに対して、一人の男が「そんなもの・・・」と簡単にやっつけてしまうのに、その男の人は「まんじゅうが怖い」と信じられない発言をします。
中には「まんじゅうこわいだ!」とお話を知っている子もいましたが、それでも「どうなるの?」と楽しみにしながら話を聞いている様子にこちらも楽しく話ができました。
散々まんじゅうを食べている事がわかって「本当に怖いものは何だ!」と問い詰められるた男が「今は、熱いお茶が怖いなぁ」というと、「嘘だー!」としっかり意味まで分かって楽しんでくれました。流石は年長児という感じですね。
話す方も楽しいと聞く方も楽しい
やっぱり素話の時間は「話す方も聞く方も楽しい」時間にしたいです。これは落語の舞台を見ていた時に感じたのですが、こちら側が乗ってくると噺家も乗ってきているように感じたのです。なんとなくその場の空気というか、話を通じてお互いの呼吸が合うというか、そんな感覚に入っているときには楽しい時間になっているのではないかと思います。
子どもたちが拙い噺家に協力してくれたので、最近はとても楽しく話ができるようになりました。やはり面白い話は面白がる聞き手がいて初めて成立するのだと思います。
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