子どもの遊びの邪魔をしない

目次

梅雨の中休みは出来るだけ外で子ども達と一緒に遊びます。

冒険の森で一緒にターザンのように遊んだり、少し湿った砂と新しいカップで砂のお城を作ったり。子ども達も暑い日は水遊び・泥遊びに夢中です。

子ども達が遊び込んでいるときには心も体も成長しています。大人の立場からは「そんな遊び方しないでよ」とか「服が汚れるからやめて」と言いたくなりますが「子どもの育ちを一番大切にする」ためには、ぐっと我慢で見守ります。

「もう一回やりたかった」「明日もやろうね」こんな言葉がニコニコした子ども達から聞こえてきたら子ども達は満足するまで遊び込めたのかなと思います。

「今度は一人でやってみる」「私もやってみたい」こんな言葉がキラキラした目をした子ども達から聞こえてきたら、遊びが成長につながったなと思います。

子ども達が集中しているときや、子ども同士で遊んでいるときには大人はあえて関わらないようにするほうが良い場合があります。逆に子ども同士ではなかなか遊びが広がらないときには、子ども達のリーダーとなって大人が遊びを引っ張るのが良い場合もあります。

うまく見極めるのには経験が必要ですが、どんなときでも大人が子どもの遊びを邪魔しないように注意しなければなりません。

遊びの中で子どもが育つ

今回は冒険の森のターザンごっこの写真を使いました。

今までも垂れ下がっていたツルに気づいてはいましたが、「もしかしてこれで遊べるかも?」と思ったことはありませんでした。子ども達がツルにぶら下がって遊んだりしている様子を見て、「ターザンみたいに出来たら面白いかも」と思って周りを見回すと、なんだか面白そう!と思ったのでやってみました。

はじめは私も恐る恐る「これジャンプでつかめる?」と聞いて、子ども達がつかめなくても絶対に受け止めるぞ!と気合を入れて待ち構えていたのですが、何度か繰り返すうちに、子ども達の身体能力であればできそうだと思い始めました。

特に上手だった年長の女の子がジャンプするときに、ほとんど体を支えること無くジャンプさせてみたら、上手に飛べました。それを見た他の子も自分のできるギリギリのところでチャレンジを繰り返して、中には一人でジャンプしてツルを掴むことができる子も増えてきました。

その様子を見ていた下の子達も、ジャンプして掴むことは出来ないけど、ツルから大人の支え無しで飛び降りたり、ツルを掴んで長い時間ぶら下がってみたりと、思い思いに自分の「やってみたい」を試しているようで、あっという間に時間が流れていきました。

翌日も「せんせー、またジャンプしよ!」と誘われるのですが、筋肉痛と相談しながら引き伸ばしたりしています。子ども達の成長はあっという間なので、しっかりと子ども達に負けないように体を鍛えなければいかないかもしれません。

子ども達は遊びながら足の力の入れ具合、ジャンプの方向、手の力を入れるタイミング、着地のときにどうやって膝のクッションを使うかなど、体の様々な場所を育てています。また、お兄さん、お姉さんの挑戦する姿を見つめる下の子達も、「いつかはあんなふうになりたい」と思って憧れの眼差しで見てくれています。

中でも一番嬉しかったのは、順番を待つことを子ども同士でしっかりと教えあっていたことでした。

年少の子どもの中には、自分が早くやりたいから順番を抜かす子もいました。そんなときに年長の女の子が、とても優しく「ちゃんと待っていたら◯◯くんも出来るから待っとこうね」と諭すと、癇癪を起こすことが少なくない年少の子どもが「うん」と素直に聞き入れている様子でした。

ああ、こうやって異年齢の子ども同士で育ち合っているのだなぁ、異年齢の関わりはいいものだなぁと感じました。

 

憧れが子どもを引っ張る

年少の子どもはなぜ癇癪を起こさず素直に聞き入れることが出来たのでしょうか。色々と理由はありそうですが、「この人(年長の女の子)が言うことは嘘じゃないだろう」という信頼感がしっかりと育っていたのではないかと思っています。日頃から色々とお世話をしてくれるので、この人の言う事なら間違いないと信頼していたのかもしれません。「すごいなぁ」という眼差しで見ている存在だったから言うことを聞いたのかもしれません。実はそんなたいそうなことではなく、「ただ単にいつもより機嫌が良かった」だけかもしれません。

それでも「憧れている存在が言うことだから信じよう」と思っていてくれたのだと、私個人は信じたいと思います。

大人であっても本当かどうかわからないときには「あの人が言うのだから間違いない」と自分を安心させることはあると思います。不安や心配なときほど、「頼れる存在」に頼りたくなることは、大人も子どもも同じだと思います。

だからこそ、異年齢の関わりを大切にしているこの保育園では、「年長の子ども達しか出来ないこと」が大切なのだと思います。そして、年長の子ども達だけが出来ることをしっかりと他の子ども達も見ることが大切なのだと思います。

子ども達が育つ際に、遊びはとても大切です。その遊びに異年齢の子どもたちが参加することで、子ども達はより一層成長していくのだと思います。

 

大人も遊びを引っ張って良い

子ども同士の遊びではどうしても広がらないときはよくあります。

「もっとこうしたら面白いのに」とか「本当はこうやって遊ぶのに」と大人があれこれと口を出したくなることもよくあります。

子ども達が今ひとつ遊び込めていないときには、大人が遊びを引っ張ってあげるのも大切だと思います。実際私自身もよく子ども達の遊びに飛び入りで参加します。

私が子ども達の遊びに入るときには、「子ども達より楽しもう」と思って入り、大人気なく楽しんでいる事が多いです。本気で楽しんでいる大人を見ると、子ども達もそれに引っ張られて楽しそうにしてくれる事が多いように思います。どうせなら大人も子どもも一緒になって楽しめるほうがとても良いと思います。

子ども達は大人の姿や周りの子ども達の姿を真似しながら自分の生きる力を身につけていきます。良いことをする様子を見て、良い振る舞いを身につけます。良くない言葉や良くない行動を見て、良くない言動を身につけます。

今を一番良く生きるためには、子ども達の目の前で大人が思い切り楽しそうにしていることが大切なのではないかと思います。そうすれば、子ども達もそれに引っ張られて、今をよく生きることが出来るのではないかと思います。

 

最新のブログをメールで読む

下記にメールアドレスを記入していただければ、ブログが更新されると更新内容がメールで届きます。