2024年2月13日の素話(オオカミと七匹の子ヤギ、オオカミ少年、かっぱ岩)

目次

少し間が空いてしまったのですが、久しぶりの素話でした。

先週は各年齢別担当の保育士が素話をしてくれました。お話を絵本を使わずにすることは、これまでたくさんの絵本を読んできた保育士であっても少し緊張するのかもしれません。頑張ってくれた保育士に感謝です。

オオカミと七匹の子ヤギ(つくしグループ)

有名なグリム童話ですね。様々なアレンジが加えられていますが、つくしグループの子どもたちにもわかりやすいと思って選びました。

オオカミが買い物に行ったお母さんのフリをして家の扉をノックすると、なんだかお母さんとは違う!という展開には子どもたちも反応してくれました。もちろん声色とかを変えていたのでそれで気づいたのだと思いますが、なんとなくでも「言葉」から「イメージ」を膨らませる事ができたらいいなぁと思って話しました。

仔ヤギを食べてしまったオオカミのお腹をハサミで切り裂いて石を詰めて縫い合わせるというのは、現実感のないシーンなのですがこれがお話の面白いところだと思います。頭の中でイメージができてしまえば、現実感がある出来事になってしまいます。空想やファンタジーの素晴らしさですね。

オオカミ少年(たんぽぽグループ)

こちらはイソップ童話の「嘘をつく少年」です。オオカミ少年のほうが馴染みのある名前なのでそちらを使っています。

素話を楽しみにする子どももいれば、集中できない子どももいます。それは当たり前のことなので問題ではないと思っています。大人だって興味のない話は右耳から入って左耳から抜けていくものでしょうし。

繰り返しの面白さを感じてもらうだけでなく、嘘を重ねた結果自分の言葉を信じてもらえなくなる悲しさや信じてもらえないことで自分が痛い目に遭うということも感じてほしいと思い選びました。

嘘をついたり、嘘をつかれたりすることは子どもたちも経験があるので、友達関係や複雑な人間関係が広がり始めたたんぽぽグループの子どもたちにはちょうどよいかなと思って選びました。

ただ、久しぶりの素話だったこともあって、ちょっと誇張した表現にしすぎてしまったのかもしれません。日々反省ですね。

かっぱ岩(すみれグループ)

毎年のようにしているお話です。

子どもたちが「危ない存在」として認識しているカッパが「遊びに入れてくれ」と近寄ってくる。子どもたちは最初は警戒して逃げようとするものの、美味しそうなお魚につられて仲間に入れてしまう。そして一緒に遊んでいると一人の子どもが尻子玉を抜かれて死んでしまう。

大人たちが子どもの尻子玉を抜いたカッパに大勢で殴りかかり、大いに反省した(?)カッパは「もう二度と悪いことはしない」と誠心誠意謝って許してもらう。二度と悪いことはしないと誓う時に大人たちから出された条件は「大きな岩が腐るまで尻子玉を食べてはいけない、悪いことをしてはいけない」と誓わせることだった。

カッパは誓いを守って悪いことをしなくなったが、大きな岩に座って怨めしそうに「この岩、早う腐らんかのぅ」と大きな岩を撫で続ける、というお話です。

勧善懲悪のお話とも捉えることが出来そうですが、個人的にはカッパがうらめしそうに岩を撫でているシーンが、妙に人間らしくて好きなお話です。子どもたちにお話だけでカッパの心の動きを伝えることは難しいのですが、色々と考えさせられるなぁと毎回思います。

「強制的にそう思わされる」ことは本当の心を動かさない、本当に「そうしたい!」と思わないと表面的な行動しか変わらない、という人間の悲しい部分が滲むよくできたお話だと思っています。

さて、今の自分は「そうしたい!」と思うことができているのか、このお話をするたびに「うっ!」と胸のどこかが少しだけチクチクするのを感じます。

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