鬼は外、福は内

子ども達は勇気を振り絞って鬼に豆をぶつけたり、怖くなってしまって保育士の後ろに隠れたりと様々な反応を見せてくれました。

今年の鬼はちょっと優しい鬼だったようで、「一緒に遊ぼ」と子ども達と一緒に遊んでみたり、握手したりと優しい一面を見せてくれました。

子どもたちの中で「鬼」の存在はどんな存在なんだろうな?と思いながら怖くて泣いている子どもたちを抱っこして節分会の雰囲気を感じていました。鬼はやっぱり怖い存在、でもなんで怖いのかわからない、とにかく怖いものという感じだったのでしょうか。

年長の女の子が「鬼が怖くてちょっと泣いちゃったけど、ちゃんと豆を投げれたよ、でも園長先生なんで泣いてる時に来てくれんかったん?」と聞かれて、「ごめんね」としか言えませんでした。

1・2歳児クラスの子ども達はウッドデッキの安全なところから豆を投げたりしていました。鬼たちが帰っていったあと、年長の男の子が、自作の鬼のお面を被って「優しい鬼」として豆を「ぶつけられに」来てくれました。
さっきまで泣いていた1・2歳児クラスの子ども達も、「この鬼なら鬼退治が出来るかも」と一生懸命に豆を投げていました。
こういう優しい気持ちが育っている姿を見ると、異年齢クラスの中で優しさが育っているなぁと感じます。

小さい頃なんだかわからないけど怖い存在だった鬼が、段々と心が育っていく中で「乗り越えられるもの」になっていき、実際に乗り越えた経験が自信につながることを願っています。

難しいことを乗り越えるときには、はじめは温かなサポートが必要です。サポートを受けながら「出来る」経験を積み重ねて「やってみよう」と「上手くいかなかった」を繰り返して子どもは成長します。
一度の「上手くいかなかった」で諦めそうになっても、周りの子ども達に影響されて、「もう一回やってみよう」と思える子どもは、粘り強さを身に付けていきます。子どもの集団、特に異年齢の関わりが多い子どもの集団では「子ども同士の育ち合い」が多く見られます。

年長児が下の子どもたちに優しくする様子を、子ども達はよく見てよく感じています。年長児は大人が周りの大人同士がお互いに助け合い、お互いを大切にしている姿をよく見てよく感じて学んでいます。
「子ども達にどんな大人になってほしいか」は「子どもにどんなふうに真似されたいか」とイコールなのだと思います。ということは、今日、年長の女の子の約束を守れなかった私は、心の中の「約束を守らない鬼」に豆をぶつけておかないとですね。

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