2022年2月7日の素話(おおきなかぶ、裸の王様)

久しぶりになってしまった素話の時間でした。

今日はつくしグループだけの初めての素話をしました。

初めての素話は今までに読んだことのある絵本などを題材に、子ども達の頭の中でイメージを膨らませやすい物を選んでいます。特に最近になって子ども達が耳から聞いたことを頭の中でイメージとしてふくらませるのが苦手になってきているような気がしています。練習を兼ねて、絵本などになっているお話を題材に取り上げていければと思っています。

おおきなかぶ

昔々おじいさんが畑にカブを植えました。カブはどんどん大きくなり、ついにはおじいさんの背丈よりも大きくなりました。
よーしそろそろたべごろだってことで、よいしょよいしょとおじいさんはカブを引っこ抜こうとしましたが、とても大きなカブなので、ピクリともしません。

「おーい誰か手伝っておくれ」
そういうと、おばあさんが飛んできて手伝ってくれました。

おばあさんがおじいさんを引っ張って、おじいさんがカブを引っ張ります。よいしょよいしょ、ところがカブはピクリともしません。

「おーい誰か手伝っておくれ」
そういうと、孫娘が飛んできて手伝ってくれました。

孫娘がおばあさんを引っ張って、おばあさんがおじいさんを引っ張って、おじいさんがカブを引っ張ります。よいしょよいしょ、ところがカブはピクリともしません。

「おーい誰か手伝っておくれ」
そういうと犬が飛んできて手伝ってくれました。

犬が孫娘を引っ張って、孫娘がおばあさんを引っ張って、おばあさんがおじいさんを引っ張ります。よいしょよいしょ、ところがカブはピクリともしません。

「おーい誰か手伝っておくれ」
そういうと猫が飛んできて手伝ってくれました。

猫が犬を引っ張って、犬が孫娘を引っ張って、孫娘がおばあさんを引っ張って、おばあさんがおじいさんを引っ張って、おじいさんがカブを引っ張ります。よいしょよいしょ、ところがカブはピクリともしません。

「おーい誰か手伝っておくれ」
そう言うとネズミが飛んできて手伝ってくれました。

ネズミが猫を引っ張って、猫が犬を引っ張って、犬が孫娘を引っ張って、孫娘がおばあさんを引っ張って、おばあさんがおじいさんを引っ張って、おじいさんがカブを引っ張ります。

よいしょよいしょ、すると大きなカブがすっぽーんと抜けました。一緒におじいさんもおばあさんも孫娘も犬も猫もネズミもみんな、ゴロゴロゴロと転がっていってしまいました。


すみれグループとたんぽぽグループはこれまでに何度か聞いたことがあるので、ある程度ストーリーのあるものや、登場人物が多いものを選んでみました。すみれグループの子どもたちでも聞くのが得意な人と不得意な人がいるので、いろいろな子ども達が楽しめるように、ストーリーは少し簡単にしています。

裸の王様

昔、新しい洋服が大好きな王様がいたんだ。
その王様は朝起きてくると、「今日は朝ごはんには赤い洋服を着て、昼ごはんには青い洋服を着て、午後のお散歩には白い洋服を着て、夜ご飯には緑の洋服を着るから準備しろ」みたいに、一日に何着も新しい洋服を着替えていたんだ。

そんな王様だったから、国の人はとても困ったんだ。国中の洋服屋さんは、朝から晩まで新しい洋服を作ってばかりだったし、次から次へと新しい洋服を作らなければ行けないから、休むまもなく働いていたんだ。

そんな王様の噂を聞いた二人の男が、王様のところにやってきたんだ。
二人の男は、こう言ったんだ。

「王様、実は私達は嘘つきと愚か者には見えない布を作ることが出来ます。その布で王様に洋服を作ることも出来ますが、いかがでしょうか。」

新しい物好きな王様はとても喜んで、すぐに洋服を作るように二人の男に言ったんだ。

次の日の朝、二人の男が大きな箱を持って王様のところにやってきたんだ。

「王様、ついに出来上がりました。この箱の中に特別な服が入っています」

王様は喜んで箱の中を見たんだけど、空っぽにしか見えないんだ。
王様は困ったんだ。これで「なにもないじゃないか」と言ってしまうと、自分が嘘つきか愚か者になってしまう。そこで、王様はこう言ったんだ。

「いやぁ、これは素晴らしい洋服じゃないか、なあ大臣?」
大臣も「本当に素晴らしいですね。」と答えたんだ。

二人の男は「では早速着替えましょう」と言って、王様の服を脱がしてしまい、王様はパンツ一枚になって、その「特別な布」出来た服を着せてもらったんだ。
王様は「とても軽くて涼しい服だなぁ、まるで何も着ていないみたいだ」といって、これを国中の人に自慢しようということで、街の中をパレードで見せびらかすことにしたんだ。

国中の人が道に並んで王様の新しい洋服を見ることになったんだけど、みんなとても困ったんだ。
パンツ一枚で歩いている王様を見て、「裸じゃないか」と言ってしまったら、自分が嘘つきか愚か者になってしまう。だからみんなが「とても素晴らしい洋服だねぇ」と思ってもいないことを言い始めたんだ。

そんな時、一人の子どもが王様の前に出てきてこう言ったんだ。
「何で王様裸で歩いているの?」

誰が嘘つきで愚か者だったのかな?

おしまい

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