2020年12月24日の素話(赤ずきん・かさじぞう)
目次
今日は久しぶりのお話の時間です。
子どもたちも久しぶりだったので、わかりやすく絵本などでも読んだことがる物語を選んでみました。
お昼ごはんのクリスマス会特別メニューをたくさん食べた後だったので、少し眠たそうにしていましたが、それもまた気持ちのいい時間になってくれたのでは?と思います。
あかずきん(たんぽぽグループ)
赤ずきんちゃんはいつも真っ赤な頭巾を頭にかぶっている、とってもかわいい女の子でした。
ある日、お母さんが赤ずきんちゃんに言いました。
「森の奥に住んでいるおばあさんに、お菓子とぶどうのお酒を持っていってくれる?でもね、決して寄り道してはいけませんよ」
赤ずきんちゃんは「分かったわ」といって、早速おばあさんの家にでかけました。
森の入口に付くと、狼が出てきて、赤ずきんちゃんに言いました。
「赤ずきんちゃん、森の奥のおばあさんの家に行くんだね。だったらプレゼントにお花をたくさん摘んでいってあげるといいよ。」
赤ずきんちゃんは「それはいい考えね」と、近くに咲いていたきれいな花をたくさん摘みはじめました。
こうして赤ずきんちゃんが寄り道している間に、狼はおばあさんの家に行き、扉を開けて出てきたおばあさんをぺろりと食べてしまいました。
そして、次は赤ずきんちゃんを食べてしまおうと、おばあさんの格好をして、おばあさんの布団の中に潜り込みました。
しばらくして赤ずきんちゃんがおばあさんの家につきました。
家の扉が半分開いていたので、赤ずきんちゃんはそこからおばあさんに向かってこう言いました。
「おばあさん、美味しいお菓子と、美味しいぶどうのお酒と、森で咲いていたきれいな花を持ってきてあげたよ」
ところがおばあさんはベッドから出てきません。
不思議に思った赤ずきんちゃんは、ベッドに近づいておばあさんに聞きます。
「おばあさんの耳は大きいのね。」
赤ずきんちゃんが聞くと、おばあさんに化けたオオカミは、言いました。
「お前の声を聞くためさ。」
「目も大きいのね。」
「お前をよく見るためさ。」
「どうして口がそんなに大きいの。」
「それはお前を食べるためさ。」
狼はそういうと、赤ずきんちゃんをぺろりと飲み込んでしまいました。
その時、一人の漁師が近くを通りかかり、おばあさんの家の庭で、狼がぐっすりと眠っているのを見つけました。
「おばあさんを食べたな。」
猟師はそういうと、狼のお腹をはさみで切りました。 すると、まず赤ずきんちゃんが出てきて、続いておばあさんもはいだしてきました。
猟師はかわりに狼のお腹に、石をつめました。
狼は目がさめると、そばに猟師がいるので、あわてて逃げ出しました。 でも、お腹に石が入っているので、うまく歩けず、バランスを崩し川へ落ちてしまいました。
赤ずきんちゃんは、おばあさんに言いました。 「もう森で寄り道はしないわ。狼に食べられちゃうものね。」
かさじぞう
むかしむかし、あるところに、貧乏(びんぼう)だけど心優しい、おじいさんとおばあさんがいました。
ある年の大晦日(おおみそか)の事です。
おじいさんとおばあさんは、二人でかさを作りました。
それを町へ持って行って売り、お正月のおもちを買うつもりです。
「かさは五つもあるから、もちぐらい買えるだろう」
「お願いしますね。それから今夜は雪になりますから、気をつけて下さいよ」
おじいさんは、五つのかさを持って出かけました。
家を出てまもなく、雪が降ってきました。
雪はだんだん激しくなったので、おじいさんはせっせと道を急ぎました。
村はずれまで来ると、お地蔵さま(おじぞうさま)が六つならんで立っています。
お地蔵さまの頭にも肩にも、雪が積もっています。
これを見たおじいさんは、そのまま通り過ぎる事が出来ませんでした。
「お地蔵さま。雪が降って寒かろうな。せめて、このかさをかぶってくだされ」
おじいさんはお地蔵さまに、売るつもりのかさをかぶせてやりました。
でも、お地蔵さまは六つなのに、かさは五つしかありません。
そこでおじいさんは自分が頭に巻いていた手ぬぐいを脱いで、最後のお地蔵さまにかぶせてやりました。
家へ帰ると、おばあさんがびっくりして言いました。
「まあまあ、ずいぶん早かったですねぇ。それに、おじいさんのかさはどうしました?」
おじいさんは、お地蔵さまのことを話してやりました。
「まあまあ、それは良い事をしましたねえ。おもちなんて、なくてもいいですよ」
おばあさんは、ニコニコして言いました。
その夜、夜中だと言うのに、ふしぎな歌が聞こえてきました。
♪えっさ、ほいさ、はこべやはこべ
♪えっさ、ほいさ、かさのお礼じゃ
♪えっさ、ほいさ、はこべやはこべ
♪えっさ、ほいさ、かさのお礼じゃ
歌声はどんどん近づいて、とうとうおじいさんの家の前まで来ると、
ズシーン!
と、何かを置く音がして、そのまま消えてしまいました。
おじいさんがそっと戸を開けてみると、おじいさんのあげたかさをかぶった5人のお地蔵様がと、おじいさんの手ぬぐいをかぶったお地蔵様の後ろ姿が見えました。
そして家の前には、お正月用のおもちやごちそうが山のように置いてありました。
繰り返し聞くこと
有名なお話は子どもたちもストーリーをよく覚えています。
タイトルを言えば、どんな話なのか子どもたちが教えてくれます。それでも、有名なお話は子どもたちに人気です。
次の展開が見える分だけ、お話の言葉に集中しなくても頭の中でイメージを持つことが簡単なのでしょう。初めて聞くお話よりもリアクションが大きくて、話している方も楽しくなってきました。
逆にお話のオチも分かっている分だけ、ちょっとつまらなさそうにしている子もいます。でも素話は同じ話でも毎回少しだけ違っています。だから、毎回新しいお話を聞くようなものなのです。
もっと小さい子でも大好きな絵本は「もっかい読んで!」と楽しんでくれる事があると思います。大きくなっても何度も聞きたいお話を一つでも子どもたちの心に届けてあげられればと思います。
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