2024年6月24日の素話(三枚のお札、のっぺらぼう)

目次

段々とお話を聞くことに慣れてきた子どもたち。少し長いお話も大丈夫かな?怖い話は大丈夫かな?と思いながら、恐る恐るお話をしてみました。

三枚のお札(すみれグループ)

「みんなは夜遅くに外に出たことある?」と子どもたちに聞くと「あるよー!」「なーい」といろいろな反応。「どうしてお外に出たらいけないの?」と聞くと「おばけが出るから!」「お母さんが駄目って言うから」など聞くだけでほっこりします。

「そうだね、夜に外に出ると暗くて、もしかするとおばけが出るかもしれないね。それだけじゃなくて山姥が出るかもしれないよ」と話を切り出しました。

「和尚様って知ってる?お寺でお教を呼んでくれたり色々とお話をしてくれる人だよ。その人のお世話をしたり修行をしている小僧って子もいるんだ。その小僧がね、和尚様に裏山に美味しいキノコが生えてるから取りに行きたいって話をしたんだよ。」と言うと、二人の姿がイメージできたのか、段々と話に入り込んでいる様子が見えました。

別のお話とストーリーがごちゃまぜになっているところはありますが、子どもたちの「聞くことが出来る時間の限界」と「わかりやすさ」から少し改変してみました。お話の台本は最後にまとめています。

のっぺらぼう(たんぽぽグループ)

お話を聞きたい子どもとお話よりも外で遊びたい子どもとが色々なたんぽぽグループさん。自分の身近なものを言葉からイメージすることが出来ればいいなと思って、このお話を選びました。

ストーリーも登場人物も出来るだけ子どもたちがイメージしやすい現代風に変えてお話をしてみました。

 

お話の台本(三枚のお札)

とあるお山に和尚様とその弟子の小僧が住んでおった。裏山に美味しいキノコが取れると聞いた小僧は、和尚様にお願いしてきのこを取りに行かせてもらった。

和尚様は裏山には恐ろしい山姥が住んでいることを知っていたので、小僧に3枚のお札を渡してこういった。

「ええか、あまり奥まで行くなよ。裏山には恐ろしい顔をした山姥がいる。山姥に見つかったら、この3枚のお札を1枚ずつ投げるんじゃ。そうしたらきっと助かるから」

小僧は和尚様の言うことをよく聞いて、3枚のお札をしっかり握って裏山に入っていった。

山に入るとあちこちに美味しそうなキノコがたくさん生えていた。「これも美味しそう、あれも美味しそう」と知らない間にどんどんと山の奥まで入っていってしまった。

気がつくとあたりは真っ暗になっていて、帰る道もわからなくなってしまった。どうしようかと困っていた小僧のところに、優しそうなおばあさんがやってきて、小僧に優しく「道に迷ってしまったなら、一晩家で泊まっていきいや」と声をかけてくれた。小僧はとても喜んで、おばあさんの家に泊めてもらうことにした。

おばあさんは美味しいご飯をたくさん食べさせてくれて、お風呂にも入れてくれて、フカフカの布団で寝かせてくれました。

真夜中、小僧がおしっこに行きたくて目を覚ますと隣の部屋からクックックと押し殺した笑い声が聞こえてきました。小僧がそーっと襖の隙間から隣の部屋を覗くと、優しかったおばあさんの背中が見えました。

おばあさんは包丁を研ぎながら「今日の獲物は特別に美味しそうだ。体もきれいにしているし、腹いっぱいキノコを食べさせたから旨い肉になっているだろう。包丁をしっかり研いで、手を切り落とし、足を切り落として、腹を割いて内臓からむしゃむしゃと食べてやろう」
小僧が怖くなって「ヒィ」と声を上げると、おばあさんがギロっとこちらを向きました。
「起きているのかい?」と隣の部屋から聞こえてきます。小僧は「いや、ちょっとおしっこに行きたくて」と小僧が答えるとおばあさんは「夜は危ないから、腰にこの紐をくくりつけていくと良い」といって、小僧の腰に太い紐をしっかりとくくりつけました。まるで小僧が逃げ出さないようにするようでした。実はおばあさんが山姥だったのです。

小僧はこのままでは食べられてしまうと思ったので、トイレに行くふりをして、山姥から見えない柱にその紐をくくりつけて一目散に逃げ出しました。

山姥は小僧が逃げ出したと分かって大急ぎで追いかけてきました。

小僧は和尚様にもらった御札を1枚山姥の方に投げると、突然そこに大きな川ができて、山姥はあっという間に流されていきました。

小僧はそれでも一生懸命逃げていくと、また山姥が追いかけてきました。小僧は1枚御札を投げると、山姥の足元がトゲトゲの針の山になりました。山姥は足の裏をザクザク針で刺されて大声を上げて止まっていました。

小僧はそれでも一生懸命逃げていくと、またまた山姥が追いかけてきました。。小僧は最後の1枚のお札を投げると、山姥の近くからゴウゴウと燃えはじめ、山姥はあっという間に真っ黒焦げになって死んでしまったそうです。

 

お話の台本(のっぺらぼう)

旅行で海の近くの街に来ていた男の人が、海辺を散歩していると海を眺めている女の人を見つけたんだ。男の人はちょっと脅かしてやろうと、後ろから女の人に近づいて「ワッ!」と脅かしてみたんだ。すると女の人は「キャ!」と驚いて、男の人の顔を見たんだ。

すると男の人が「ギャー!」と驚いたんだ。だって、その女の人は、目も鼻も口もない、のっぺらぼうだったんだ。

男の人は大急ぎで逃げ出して、街の方に走っていき、一番近くにいたおじさんに大声で叫んだんだ。

「おじさん!大変だ!のっぺらぼうが出た!海のところにいる女の人の顔が、目も鼻も口もないのっぺらぼうだったんだ!」

男の人に言われておじさんは「その女の人はこんな顔だったかい?」とゆっくり振り向くと、そのおじさんものっぺらぼうだったんだ。

またまた男の人は「ギャー!」と驚いて、転びながら違う方に逃げていったんだ。

大急ぎで逃げながら、男の人は交番を見つけたから、警察に連絡しようと走っていったんだ。

「おまわりさん大変だ!海に女ののっぺらぼうが!街に男ののっぺらぼうが!」とゼィゼィ息を切らして話していると、「のっぺらぼうってこんな人かい?」とおまわりさんが振り向くと、そのおまわりさんも、のっぺらぼうだったんだ。

男の人は腰を抜かしてそのまま気を失ってしまったらしいよ。

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