2011年3月16日 第32号 災害への備え
卒園式を間近に控え、先日の東北地方の地震、津波被害は日本中が言葉を失う大災害でした。
保護者の皆さまには姫井保育園の防災対策はどうなっているのだろうと、この度の災害で、疑問や不安を持たれた方もおられることでしょう。
山口県では、20年前の台風19号で集中的な被害を受けたことをきっかけに、防災意識が高まり、特に保育園のような児童福祉施設については、自然災害から不審者対策に至るまで、幅広く取り組みがなされてきています。それでも昨年の山陽小野田市の集中豪雨で、旧山陽町側が広い範囲で床上浸水の被害を受けたのは記憶に新しいところです。
最近の自然災害は、普通に予想される範囲を超える場合が多く、とおり一遍の警戒や対策では、いざという時に頼りにならないので、私たちも地震、台風、火事など具体的なケースを想定しながら、被害を抑える対応を考えています。
山陽小野田市で例年心配されるのは台風による風水害です。台風はある程度、事前の予測ができるので、規模や危険の程度によって、早めのお迎えをお願いしたり、あらかじめ休園にさせていただいたりしています。
ただ、ゲリラ豪雨のようなパターンでは、短い時間に道路が水に浸かってお迎えもままならず、職員とお子さんが園内に待機という場合も想定されます。 それが、停電や断水を伴うとなれば、そのための備えが必要で、水、ミルク、米、非常食などの食品を3日分、携帯コンロやラジオ、懐中電灯、電池、ろうそく、水のろ過器などを常備するようにしています。
当市は過去をたどると、昭和10年、16年、17年、28年の4回、市史に残る大水害を経験しています。これらの多くは梅雨時に起こっていて、園の近くを流れる有帆川も氾濫する事態でしたが、保育園は川の水面から30メートルの高台にあるため、これらの水害にあうことは一度もありませんでした。台風の強風にあっても、保育園の周囲の木々や園舎背後のノリ面がガードするかたちとなり、園舎に損傷が生じたこともありませんでした。
したがって、地元の旦西自治会は災害時の避難場所を当園に指定しています。こうして、通常予想される風水害に不安の少ない園ですが、大地震は中国地方ではまだ例がないとはいえ、あるいは例がないだけに、特別な警戒が必要だと思います。
園舎自体はほとんどが鉄筋コンクリート製の平屋なので、倒壊の心配はありませんが、園舎内の設備、備品が倒れて子どもが怪我をしないよう、背の高い本棚や食器棚などの家具、備品は壁や床への固定措置を施し、夕暮れ時の避難に備えて、ソーラータイプの屋外灯をつけたり、避難誘導の訓練を火災の場合とあわせて毎月1回行うようにしています。
今回の東北地方のような津波は、瀬戸内海沿岸の山陽小野田市では、想定しにくい事態ですが、それでも、ご家庭や市役所との連絡網が寸断されるような場合には、やはり園舎内での生活物品を備蓄しておくことは必要となります。
今回の大災害を人ごとと思わず、被災された方がたへの支援をできる限りしていくと共に、教訓にできるところは取り入れて備えを強化しながら、子どもたちの命と安全を守っていきたいと思います。
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