2014年6月5日 第39号 イヤイヤの時期を共に楽しんで
副主任 ゆり組担任 豊嶋早織
新年度が始まり、あっという間に2か月が過ぎていきました。
スタートしたばかりの4月は環境の変化や初めての登園で、それぞれの部屋から子ども達の不安な心の叫びが涙とともに聞こえていました。お父さん、お母さんから大切なお子さんを受け取り胸に抱きながら、私たちも切ない気持ちになったものです。泣き声や呼びかけに応えてくれる相手がいつも同じようにそこにいるということが日々重ねられるうちに伝わり、笑顔を見せて来てくれるようになりました。子ども達は本当に逞しいです。保育園がお子さんや保護者の方にとって「第二の家」と思えるような場所でありたいと願っています。
0・1・2歳の子供たちの成長は、とても著しいものです。言葉が儘ならないこの年齢は、自分の思いを泣くことで私たち大人に伝えようとします。
特に、様々な感情が芽生えて膨らんでくる1歳~3才頃の子どもたち。一日の保育の中にもそれはよく顔をのぞかせます。
只々、大人の気が引きたい、「ねえ、見て見て!」というもの。そして「~したい」、「~が欲しい」という思いが強まり、応じてもらえないとのけぞったり、床にひっくり返ったりします。更に「自分で」と自己主張する姿が見られるようになります。着替えや食事の時などもちょっとしたタイミングのズレ等から何を言っても気に入らない「イヤイヤ」が始まって、全くもってお手上げの状態になります。
そんな時は、「どっちにする?」、「どっちがいい?」と選択肢を与え自分で選ぶことで気持ちの転換や立ち直りのきっかけを作っていくようにしています。時間がかかっても、お母さんの”ちゃんとみてるよ”のまなざしで待ってあげること、出来たら誉めてあげることが大事です。
こうした種蒔きの作業は後に必ず発芽し花を咲かせ、あたたかなまなざしの実を結ぶことでしょう。泣きやんだ後は、「○○したかったんだね」と、その子の思いを代弁し抱っこで安心できるように接しています。
受けとめられる経験を沢山して育つと、他者を自分が受け入れることが出来るようになります。
ある日A君が人形遊びをしていました。そこへBちゃんがやって来てその様子をじっと見ていました。するとA君が、持っていたもう一つの人形をBちゃんに「はい」と渡したのです。受け取ったBちゃんは嬉しそうでした。大人の介入なく二人の間で優しい気持ちのやり取りがあったことに、とても温かい想いをしました。
日々、子どもたちが小さな心と身体で「イヤイヤ」と信頼する大人に最大級の反抗を示し、最大級の証人と共感のサインを送っていることに気づいてあげ、”分かっているよ。大丈夫、大好きだよ”と今日もしっかり抱きしめて全身で応えてあげて下さい。
私達が保育の中で大事にしていること。
- 子どもの求めている「モノ」を知る
- 子どもの話しをしっかり「聞く」
- 子どもの眼をゆっくり「見る」
- 静かな時間の中で子どもと同じ空気を吸ってみる
- 子どもの方から教えてくれることに気づきます。
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