2016年3月15日 第42号 異年齢保育で育つこと

2019年5月27日

日々春めいて、卒園式が近づいてきました。卒園のすみれグループは今月から小学校への準備で、最後のひと月を5歳児だけの同年齢クラスで過ごします。

ご承知のように当園は3歳からは、3, 4, 5歳合同の、いわゆる「異年齢保育」です。年齢別のクラスにしていたのを変えてから10年以上になります。このように踏み切ったのは、子どもたちの育ち合いをより豊かなものに、という思いからでした。

小学校前の幼児期は保育園にしても幼稚園にしても、基本的な生活習慣を身に着けていく時期ですが、子ども自身が自分の心を育てている時期でもあります。そして「きげんのいい子どもに」とは、子どもが人と社会への信頼を持ちながら、しっかりと自立していく元気を持つことです。

ここで大切なのは、子どもたちがさまざまな人間関係を無理なく体験できる場です。そして3, 4, 5歳の合同クラス(つき組、ほし組)はそうした場であることをめざしています。

3歳児は4歳、5歳のお兄さん、お姉さんに接しながらお手本や心遣いを自然に取り入れていくでしょうし、4歳児は3歳の面倒を見ながら、5歳に従ったりフォローされたりと多面的な経験をするでしょう。そして5歳になると模範を示し、リーダーシップを取る立場となります。

こうした多様な関わり合いは、必ず楽しい毎日と強く温かい心につながると思います。

年少、年中の子どもたちは、当番や園外保育の行先などを見聞きして、「早くすみれさんになって○○したい~」と年長児に憧れを持っています。一方ですみれグループには「すみれさんなんだから○○しなさい。」ではなく、かつて「すみれさんになったら…」と憧れの中で蓄えてきた力を、今実らせているのです。年少、年中からの素直な憧れに対して、すみれさんが思いやり、配慮、的確な助言を実に自然に返しています。もちろん一人ひとりが、みな違う姿、やり方ではありますが、異年齢クラスは本当に豊かな関係に満ちています。

幼児期の生活は異年齢交流だけで完結するものではありません。同年齢間のスポーツでの競い合いや共同制作も大事なところです。つき・ほしの各クラス内あるいは両クラスの横断的な年齢別グループでは各年齢の発達に応じた活動を行っており、お友達と競争することや一緒にやり遂げる楽しさを感じたりできます。

子ども同士がタテ・ヨコの多様な関わり合いの中でたくましく育ってくれるよう願っていま

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