2月19日の素話

つくしグループ向け おおきなかぶ

昔々おじいさんが畑にカブを植えました。カブはどんどん大きくなり、ついにはおじいさんの背丈よりも大きくなりました。
よーしそろそろたべごろだってことで、よいしょよいしょとおじいさんはカブを引っこ抜こうとしましたが、とても大きなカブなので、ピクリともしません。

「おーい誰か手伝っておくれ」
そういうと、おばあさんが飛んできて手伝ってくれました。

おばあさんがおじいさんを引っ張って、おじいさんがカブを引っ張ります。よいしょよいしょ、ところがカブはピクリともしません。

「おーい誰か手伝っておくれ」
そういうと、孫娘が飛んできて手伝ってくれました。

孫娘がおばあさんを引っ張って、おばあさんがおじいさんを引っ張って、おじいさんがカブを引っ張ります。よいしょよいしょ、ところがカブはピクリともしません。

「おーい誰か手伝っておくれ」
そういうと犬が飛んできて手伝ってくれました。

犬が孫娘を引っ張って、孫娘がおばあさんを引っ張って、おばあさんがおじいさんを引っ張ります。よいしょよいしょ、ところがカブはピクリともしません。

「おーい誰か手伝っておくれ」
そういうと猫が飛んできて手伝ってくれました。

猫が犬を引っ張って、犬が孫娘を引っ張って、孫娘がおばあさんを引っ張って、おばあさんがおじいさんを引っ張って、おじいさんがカブを引っ張ります。よいしょよいしょ、ところがカブはピクリともしません。

「おーい誰か手伝っておくれ」
そう言うとネズミが飛んできて手伝ってくれました。

ネズミが猫を引っ張って、猫が犬を引っ張って、犬が孫娘を引っ張って、孫娘がおばあさんを引っ張って、おばあさんがおじいさんを引っ張って、おじいさんがカブを引っ張ります。

よいしょよいしょ、すると大きなカブがすっぽーんと抜けました。一緒におじいさんもおばあさんも孫娘も犬も猫もネズミもみんな、ゴロゴロゴロと転がっていってしまいました。

 

すみれ・たんぽぽグループ向け あくび虫

昔、何でも願いが叶う小さな小箱というものが、どこかの山のてっぺんにある小さなお寺にあると言われていたんだ。でも、その山もそのお寺もどこにあるのか誰も知らなかったんだ。

ところが一人の男の人が「どうもあそこにあるらしい」ということを見つけたんだ。そこで、その男の人はその山の近くまで行くことにしたんだ。

いよいよその山に登ろうと思った男の人は、山の麓の村で一泊したんだ。そこで村の人に「この辺に頂上に小さなお寺のある山はあるかい?」と聞いたら、村の人が「あることはあるけど、あそこに行っちゃいけね。あの山にはあくび虫が出る」と教えてくれたんだ。

あくび虫っていうのは、近くに来た人間も動物もみーんな眠らせてしまうこわ~い虫なんだ。だからあの山には誰も近づかないし、動物も一匹もいないっていう話なんだ。

男の人はその話を聞いて「間違いない」と強く思ったんだ。そして、眠たくなるということも分かったので、絶対に眠たくならない薬をかばんに入れて山に登ることにしたんだ。

山道ををてくてく進んでいくと、男の人は「ふわ~っ」と大きなあくびをしたんだ。男の人はニヤッと笑って「やっぱりこの山で間違いない。あくび虫の仕業で眠たくなってきたぞ」と急いで鞄の中から薬を取り出したんだ。その薬をゴクリと飲むと、目がぱっちり、これでもう大丈夫!また男の人は山道をてくてく進んでいったんだ。

暫く進むと、目の前に長い階段が見えてきたんだ。男の人はニヤッと笑って「これが噂の階段か。やっぱりこの山に間違いないな」と強く思ったんだ。そして階段をスタスタ登ると「ふわ~っ」とまた大きなあくびをしたんだ。あくび虫が現れたようだ。男の人は鞄の中をガサゴソやって、薬をゴクリと飲むと、目がぱっちり、これでもう大丈夫!また男の人は階段をスタスタ登っていったんだ。

階段のてっぺんまで登っていくと、目の前に小さなお寺が見えてきたんだ。男の人は「間違いない、このお寺の中に何でも願いが叶う箱があるに、、、ふわ~・・・」と思っている途中から眠たくて眠たくて仕方が無くなったんだ。お寺の周りにはあくび虫がいっぱいで、とにかくものすごく眠くなってしまったんだ。

男の人はバタリと倒れてしまって、鞄の中のものも全部外に飛び出してしまったんだ。男の人は慌てて薬を探したんだけど、眠たくて眠たくて、とにかく手に触れる薬のような形をしたものを慌てて口の中に放り込んだんだ。

「これでもう大丈、、、」ぐぅ~

男の人は薬と間違ってあくび虫を飲み込んでしまったんだ。男の人はもう二度と目をさますことは無かったんだって。

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