園内研修~保育士おとーちゃんが教える「自主性・主体性の保育」

2019年6月1日に昨年度に引き続き、保育士おとーちゃんこと須賀義一さんに来ていただき、園内研修を行いました。

今年のテーマは「自主性・主体性」の保育の理解と実践ということで、昨年度の受容と信頼関係の保育に続くものです。
当園の保育目標である「きげんのいい子どもに」ともつながる重要な研修になったと思っています。

同じテーマで須賀さんがブログの記事を公開されていましたので、紹介させていただきます。

「自主性」や「主体性」という言葉は保育の業界では非常によく使われます。また、子育てをする親の立場としても、子どもが自主性や主体性を伸ばしてほしいと感じる人は少なくないと思います。

一方で、この自主性や主体性というものは分かったようで分かりにくい考え方かもしれないと研修で気づかせていただけました。

子どもの自主性に任せるということで、やりたい放題をそのままにしておくことや、子どもの主体性を尊重するということでどんなに小さな子どもにも子どもが自由に選ぶことが出来るようにさせるなど、よくよく考えてみると少し危ういことも「主体性」や「自主性」という言葉で見えなくなってしまっていることが多いと教えていただきました。

0歳から6歳までの子どもたちは成長が著しく、どんどん出来ることが増えてきたり、一方で自我が現れてきて大人の思うように育ってくれないことがあります。そういった大人とは違う部分を理解しつつ、子どもも「一人の人」としてその存在を尊重しながら適切な関わりをすることが自主性・主体性の保育の理解と実践ではないかと感じました。

 

少学校や中学校では少人数の大人が多数の子ども達を相手に「カリキュラム」に沿って指導をしなければならない環境にあります。そのためどうしても大人の側からのコントロールが強く働いてしまうのかもしれません。もちろん、小学校や中学校の先生方が様々に工夫を凝らしていることはよく理解していますが、一方でどうしようもないため仕方なく「管理」している部分があるように理解しています。

保育園で子どもたちが生活する時期は様々な失敗を経験しながら、そして、その失敗を許される経験をしながら将来幸せに生きていく力の根っこを育てる時期です。

子どもたちが信頼する周囲の大人の行動や仕草や言葉を真似しながら、「あの人のようになりたい」「あの人と同じことがしたい」という感情に動かされて適切な行動や言動が出来るようになっていけば、「きちんと、ちゃんと、しっかりと」で抑えつけなくても子どもたちの持つ「育つ力」で社会で生きていくために必要な力を身につけていくのだと思います。

 

子どもたちの成長には時間が必要です。また、周囲の人や生活する環境が適切でなければなりません。そして周囲の大人や子ども同士の直接的なアプローチによって成長していきます。最後の「直接的なアプローチ」ばかりに注目してしまうと、子どもたちが「言われたことは出来るが言われていないことは出来ない」大人になってしまいかねません。「どんなことがしたいのか」を自分で考え、周囲の仲間や大人とコミュニケーションを取って「どうすれば出来るのか」を考えて、失敗を恐れずにチャレンジする人になってほしいと思っています。また、チャレンジした結果うまく行かなかったとしても、そこから何かを学んで次に挑戦しようと思える人になってほしいと思っています。

保育園で子どもたちに出来ることはごく僅かで目に見えないほどゆっくりと浸透しているのかもしれません。それでもいつか保育園での生活で体に染み込んだものが芽を出しすくすく育って花開くことを期待して、毎日の生活を作っていきたいと思います。

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