「話が聞けない子ども」にさせないように

子どもたちは周りのことに興味を持ち、自ら進んで遊びを作り出し、人に興味関心を持ち、人の話を聞いたり人と一緒に何かをすることに喜ぶ・・・というのはあまりにも理想的すぎる子ども像だと思います。

もちろんこんな姿の子どもたちも少なくないのですが、どんな子どももみんなそれぞれの個性を持っています。

小学校の就学前健診が始まってきているこの時期には、大人から「話が聞けない子ども」のラベルを付けられてしまう子どものことを考えます。

「話が聞けない」というのはどんなタイプがあるでしょうか?

  • 使われている「言葉(単語の意味)」がわからない
  • 言葉(意味)はわかるが、文章のつながりがわからない(前の文と次の文でどのように関係しているのか?接続詞の意味がわからない)
  • 言葉も文章も分かるが、自分の思っていない結論なので、納得できない
  • そもそも音が耳に届いていない

色々と考えられますが、子どもでも大人でも当てはまるように思います。音声が耳に届かない、耳に届いても理解できる言葉になって聞こえない、理解できる言葉でもつながりがわからない、つながりが分かっていても「気持ち」が邪魔して理解したくない、など「話が聞けない」には様々なグラデーションがあるように思います。

大人から「話が聞けない子ども」と言われてしまう子どもの特徴は様々あると思いますが、仮に「大人の言うとおり(大人の期待するとおり)に行動しない子ども」を「話が聞けない子ども」としてしまうことがあれば大問題だと思います。そもそも大人だって他人の思う通りに行動しないことが普通なのに、子どもだからといってそれが許されるはずはありません。

もちろん子どもは大人ほど人生経験を積んでいるわけではないですし、思考力や推測力が十分に育っていないことから大人がある程度サポートしてあげることも大切です。

大切なのは、子どもに必要なサポートはしても、子どもをコントロールしないようにすることだと思います。

子どもたちが生まれ持っている「育つ力」を邪魔しないように、それと同時に子どもたちが行きていく社会に受け入れられるように他社との関わりを持つ力を邪魔しないようにしなければなりません。子育てとはなんとも難しいものです。

大人との関係でその力を磨いているはずなんですけどね。いつまで経っても慣れません。