2017年5月19日 第45号 緑豊かな外遊びに

2019年5月27日

新緑の5月、保育園で子どもたちの外遊びが一挙にはじけます。

うちの保育園は何よりも子どもたちの心弾む外遊びの場を大切にしつらえてきました。

この園は高台にあってアクセスにやや不便ですが、周りを木々の緑が囲んでいます。中には樹齢100年を超える木が何本もあり、5月の初めにはその大木から下がる、見事な藤の花のカーテンが見られます。

20年前の園舎建て替えの折、その自‘然環境に合わせて、それまで定番のようにあったいわゆるグランドの園庭ではなく、あちこちに木を植えたり、小山やトンネルを作り、公園のように遊べて、お迎えの折には親子でホッとくつろぐこともできる、緑豊かな園庭を作りました。

そこでは、ダンゴ虫やカマキリやセミが子どもたちの仲間になり、紅葉した落ち葉やどんぐりなどの木の実がままごとの食材になったりしました。

さらに職員会議で子どもたちの外遊びが一層楽しくなるよう遊び心と知恵を持ち寄ってもらうと、楽しい園庭へのアイデアが続出しました。

「『子ども砦』のある冒険の森はどうだろう…」、「木登りができる木はないだろうか?」「園庭にロープウェイを渡してみたら…」、「手応えのある高い登り棒やスイングロープを作れないだろうか?」「園舎の裏の斜面に草スキー場を作れるのでは…」、「上のグランドをサッカー場にしよう…」、「空き地を菜園にしてみたら…」。

こうして今の園庭が出来てきました。

0歳児から6歳児まで、子ども達は本当に外遊びが大好きです。お部屋では大泣きの0歳の赤ちゃんも、外気の中へ出た途端にきげんを直し、気持ち良さそうに落ち着きます。

雨の日が続いて室内で過ごす日が続くと、子どもたちのエネルギーが行き所を失って、先生たちはきげんよく過ごさせることに苦労しています。外遊びは理屈抜きに子どもの心と体が求める、かけがえのない要素です。

あえて「鍛えてやる」までもなく、体が活発に育とうとして、体の方から子どもに、ムズムズするような、抑えがたい欲求を伝えてくるのです。この時期の子どもが外遊びをしたがるのは、そうした成長の本性だと思います。

子ども達の心身は、こういった自然豊かな環境と遊びの機会があれば、自ずと鍛えられていきます。雨続きで外遊びが出来ない子どもたちがエネルギーの失業状態に陥ってきげんが悪くなる一方で、疲れ過ぎてもやはり、きげんが悪くなります。

幼児期、心と体は実に深く結びついて、体の良い状態が伴っていないと、安心や信頼といった、心の土台がしっかりとしません。もちろん、心の元気が無いところでは外遊びの意欲も損なわれます。

ですが、体の生き生き感がベースにあって、それが満たされていると、心が素直になり、大人が伝えたいこと、教えたいことを素直に受け止めてくれる、というのが先生たちの実感です。

保育園が、何よりも外遊びを大切にしているのは、そこで体と感覚がとてもよく育ち、子どもの心を元気に支えるからです。

安心して信頼できる大人の見守りの中で自由に遊ぶことが大切なのはいうまでもありませんが、時に遊びがマンネリ化して退屈になったりすることがあります。

特に幼児クラスの子どもの遊ぶエネルギーはとても旺盛ですから、子ども自身それを持て余してしまうようなところもあります。そこで、より手ごたえのある遊び方や運動へのチャレンジがいるので、運動遊びのお兄さん(福山先生)を季節ごとに招いています。

男性ならではの明るいパワーを発揮してもらい、これは子どもたちにも大人気です。

最近の夏の暑さは年々強まっていて、緑の豊かな当園でも、本格的な夏に入るとほとんどプールなどの水遊びになりますが、それまでは、様々な外遊びに力を注いで行きたいと考えています。

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