2002年3月18日 第9号 異年齢クラスについて

2019年5月27日

保育園の1年間もあと数週間となって、春の陽気とともにクラスの雰囲気もどことなく浮き立ってきました。

さて、4月の新年度から、現在の3・4歳合同クラスのつき組、ほし組を、5歳児までを含む3・4・5歳の合同クラスとしてクラスの規模と年齢幅を広げることになりました。担任も1人担任制から2人の複数担任制となります。

当園で3歳・4歳の合同クラスを設けるようになってから3年目になります。

従来、保育園や幼稚園で年齢合同クラスにするのは、通常少ない人手で多人数をフォローする場合でした。しかし3年前から人手の節約ではなく、子ども同士の触れ合いを考えて、年齢別に1クラスずつだったのを3・4歳をあわせたクラスを二つにするという編成替えを行いました。

こうしたクラス編成に踏み切ったのは、子どもたちが異年齢で触れ合うことが育っていく上でとても大切ではないかと考えたからです。

今、小学校あたりから子どもの姿が色々に危惧されています。いじめ、不登校、学級崩壊、引きこもりなど、それぞれにそれなりの事情や対策が考えられるところでしょうが、どうもそれらの奥に共通して横たわっている問題があるように思われます。

それは、人とかかわり合う力、自分に自信を持って人とつながり合い助け合う力、がきちんと養われていないのではないかということです。

小学校という社会に船出していくまでに、友だちや先生と適切な関わり方ができるよう、子どもなりの社会性が無理なく育っていくことが必要です。そしてそのためには、子ども達が同年齢同士ばかりでなく、年齢の異なる相手とも日常的に触れ合っていることが大切だと思われます。

かつて、幼児期の子ども達が集団を作り地域で遊びまわっていた時代がありました。 保育園や幼稚園に通う子どもはそう多くなく、子ども達は近隣同士で小さな集団を作り家の近所を遊びまわっているのが普通でした。家の近所には遊びができる空き地が探せば残っていて、車もまだ少なかったのです。

こうした集団では、3~4年の年齢幅の中で年齢や力量に応じそれなりの秩序やマナーができていました。大きい子は小さい子の面倒を見てやり、小さい子は大きな子のまねをしたり、いうことに従ったりする中で、順送りにそれぞれに合った役割や振る舞い方を引きうけて成長していきました。

社会性という面で、これは子どもが多様な人との関わり方を無理なく会得していった、実に上手い仕組みだったように思われます。もちろん子ども達が異年齢の集団を作れば自動的にそうなるというものではなく、周りの大人がきちんと見守っていて、度の過ぎたいたずらやいじめ、危険なことが目につくと、きちんとたしなめていて、大人もある種ゆとりを持っていた時代です。

当時は豊かでは無いものの、子ども達の姿は今よりもしなやかで強かったように思われます。

時代が移るにつれて物の豊かさはどんどん進みましたが、子ども達が触れ合いながら育ちあっていく環境という点では、かえってやせてしまったように思われます。

私達は今では保育園や幼稚園こそが、豊かな遊びスペースと、多くの遊び仲間があって、子ども同士のいい育ち合いができる大切な場所だと考えています。そして、かつての子ども集団が持っていた成長し合う力を、この場で豊かに作っていきたいと思っています。

クラス編成は毎日を過ごす基本の器ですから、これを動かすに当たっては慎重に検討を重ねました。研究チームを作り、3年齢の合同クラスにしている保育園に見学に出向く(京都、福井)などの調査も行いました。

その結果、3歳、4歳、5歳各年齢別の、年齢に応じた遊びや活動をしっかり組み合わせることや、小さい子が大きい子に圧迫されないよう、あるいは大きい子が小さな子のレベルに後戻りしないよう、きめこまかい目配りをすることなどがあがっています。たとえば5歳児は、最年長という自覚を持たせながら5歳ならではの課題に取り組み、小学校への準備にも留意して「すみれグループ」として活動する時間を大切にしていくことを考えています。

今のすみれ組の部屋はプレイルームと名前を変えて、年齢別活動に使う部屋になります。また、現在のつき組、ほし組のスペースでは手狭になるので、夏までに拡張工事を行う予定です。

「きげんのいい子どもに」ということで子ども達が人や社会への信頼を土台に、しっかりと自立していく道筋をたどるために、この3年齢合同クラスはとてもよいクラスになることでしょう。

3歳児はひとつ上、ふたつ上のお兄さんお姉さんたちに接しながら、お手本や目標を自然に取り入れていくでしょうし、4歳児は3歳の面倒を見たりしながら、5歳に従ったり、フォローされたりと多面的な経験をするでしょう。そして5歳になると模範とリーダーシップをとる立場に立つことになります。

こうした多様な関わり合いは、必ず子どもたちに楽しい毎日と力強い成長をもたらすことと思います。

いま社会は様々な問題をかかえ、不安の多い時代です。保護者の皆様もあるいはなにかと大変な時期かと思いますが、だからこそ、保育園としては今後ともお子さんをしっかりと引きうけ、ご家庭との信頼関係を大切にしながら、健やかな成長に向けてこれから一層頑張っていこうと思います。

最後になりましたが、この1年間保護者の皆様にはさまざまな形でのご協力とご理解をいただき、心より御礼申し上げます。

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