2001年5月15日 第6号 信頼と安心

2019年5月27日

野山が若々しい緑に染まり、5月は本当に生命力に満ちた美しい季節です。

保育園では、それぞれ新しいクラスに進級した子どもたち、新しく入園した子どもたちが、新しいクラスにすっかり慣れて、日々の遊びに元気な声を響かせています。季節の輝きと子どもたちの元気にかこまれて、保育園は毎日が弾んだリズムで過ぎていくようです。

つい1ヶ月あまり前に卒園していった子どもたちも、小学校に慣れて、保育園を思い出すゆとりができたのか、土曜日など顔を見せてくれたりしています。

卒園式の「すみれ組」さんの、まだどこか夢見るような表情を残していた幼児の顔が、しっかりした少年、少女の顔に変わりつつあるのを見ると、保育園で楽しく遊び込んでいた日々が将来にわたって子どもたちの成長を支えるしっかりとした基礎となってくれることを願わずにはおれません。

卒園式の折、保護者の方々から、「きげんのいい子どもに」ということでやってきた、心の元気を育てる保育の取り組みを、とても評価していただいて、職員ともども嬉しい思いをしました。

特に、少し前に卒園した兄弟をお持ちのご家庭から、「おとなしい子で心配していたけれど、小学校に入ってからグングン伸び始めました。だから下の子も人一倍内気ですが、全然心配していません。」というようなお話を聞いて、改めて良かったと感じたことでした。

早期教育、速成教育というのは、やろうとすれば、幼児の場合むしろ簡単なことですが、それで早くから感じる力や思う力を硬い鋳型に押し込めてしまえば、新しいことに向かう関心やイメージをふくらませる意欲が干からびてしまいます。

だから小学校の先生達も一様に、小学校前での読み書きはほどほどに、むしろ生活の枠とリズムを安定させた上で、しっかり遊ぶことや友達とかかわれる力を育ててほしいといいます。

保育園の受け持つ乳幼児期に、一番大切に育てなければならないものは、周りの人やものごとに対する「信頼と安心」です。

「信頼と安心」がある子どもは、何に対しても意欲的できげんよく、外の世界のいろいろな物や事柄に生き生きと向かっていく心の元気を育てます。そうした子どもたちは、楽しく自然な形で体験した様々な事柄を養分として、早い遅いはあっても、必ずそれぞれの個性を花開かせていくことでしょう。

今年は21世紀幕開けの年です。先日(4月28日)、新世紀を記念して園庭に植樹をいたしました。人数の関係で、年長のすみれ組さんに全園を代表してもらう形で、遠足の帰りに親子で園に集まっていただき、植樹会を行いました。

かつてこの保育園に通われた小野田市長の杉原さんもOBとして来て下さって、昔の保育園の様子について、大きなポプラの木があったことや石の滑り台で遊んだ話などを生き生きと語っていただきました。

当日植えた木は、シューベルトの歌曲で有名な「ヨーロッパ菩提樹」(ドイツでリンデンバウムと呼ばれている)です。その歌では、旅に出た若者の心の中で、ふるさとの菩提樹が折にふれ彼に呼びかけ、なぐさめる情景が歌われています。

子どもたちの健やかな成長を祈り、またわれわれ大人もその木のように子どもたちをしっかり見守って行こうと、保護者、職員も参加して、シューベルトの「菩提樹」を聞きながら全員で土盛りをしました。

園に入って左手の、大きな滑り台遊具の前に立っているのがこの菩提樹です。

やがて卒園していく子どもたちが、この保育園で過ごした日々を、温かくなつかし い思い出として振り返ることができ、また新しい元気を自分の中に立ち上げていくことができるよう、植えられたばかりの菩提樹を見ながら、心を引き締めて職員全員でこの一年間を過ごしていこうと思います。

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