2000年9月22日 第3号 もうすぐ運動会

2019年5月27日

暑い夏が去り、運動会が近づいてきました。

夏の間に、「子ども砦」と「ロープウェイ」に続いて園庭には大きなケヤキの木が植わり、「のぼり棒」も立ちました。

こんなふうに園庭が変わってきたので、運動会のご案内を出す前には、「今年の運動会はどこでするのだろうか」と保護者の方から何回かおたずねを受けました。

今までどおりのグランドを使ったトラック競技や団体競技をしようとすれば、今の園庭はとても運動会向きではありません。しかし運動会を親子で楽しむ秋のプレイデイとすれば、今の園庭でも十分できるのではないか、むしろ今まで以上になごやかな運動会をつくれるのではないかと考えています。

前号の園便りでお伝えした「冒険の森」も含め、園庭をどのようにするのが子ども達にとってベストであるのか2、3年前から折に触れ職員間で色々と話しあってきました。その結果、園庭は日々の遊びと生活の場所なのだから、体と心の成長にとって望ましいありようを考えると、木々や草花や芝生が植えられ、小山やトンネルがあり、そこに年齢に応じた遊具が取り揃えられ、毎日外遊びに楽しく打ち込めるのが良いということになりました。

緑豊かな自然の中で、子ども自身が個性やその日の気分や体調に合わせて、居場所や遊び方を選べるような、バラエティとゆとりのある園庭にしたい。そういう思いが今のような形を作りました。

この夏は園庭でセミ、バッタ、カマキリなどの虫取りができました。冒険の森やのぼり棒で遊ぶ園児達がなんだか一回りたくましくなってきたように見えるのはひいき目でしょうか。

そして今、運動会をご家庭全員が職員、地域の人たちと共に集い会う楽しいものにしていきたいと、クラス担任を中心に準備に取り組んでいる最中です。

運動会というと練習や訓練の成果を見せる学校型のものを思い浮かべがちです。

小学校になると確かに、勉強にしても運動にしても、課題を成し遂げることが大切になってきますし、中学、高校と進むにつれさらにそのレベルが上がってきます。これを受けとめてこなしていくことが、学童期の成長、自立ということになるでしょう。

しかし、0歳から6歳までの乳幼児期は学校生活という建物が乗る土台を培う基盤造りの時期です。土台になる「元気」を根元で支えているのは、周りからしっかりと受けとめられ保護されている安心感です。船に例えれば、安全な港が確保されていればこそ、冒険の船出、未知の体験にチャレンジできるのです。そして日々の遊びこそが、この船出にあたるもので、それが子どもたちの意欲と活力を育てていきます。

「きげんのいい子どもに」とはこういう元気を育てようということです。
そのためにはどうしても、遊びがいのある園庭づくりが必要になってきたのです。

遊びの特色はなんといっても自発性にあります。面白さに惹かれ自分を外の世界に触れ合わせていく体験が、自信と意欲を育て、友達とかかわっていく元気を育てます。

乳幼児期にここをたっぷりと過ごしてこないと、学校生活をこなしていく元気が十分に育たず、息切れを起こします。

このように考えて保育園の運動会は、事日々の遊びの延長上に無理のない楽しい行事にしようということになりました。そのために今の園庭でできるプログラムを色々と工夫しました。

また運動会では、ご家庭全員の団欒の場としてお子さんと共に楽しんでいただきたいので、園児も出番以外の時はご家族と一緒に過ごことにし、園児席は設けません。演技に出る時はどうぞ励まして送り出してください。

今年の運動会が、昨年にまして楽しいものになるよう、保護者の皆様のご理解とご協力をお願い致します。