園内研修~にじみ絵~

姫井保育園 副園長です

幼児クラスの子どもたちは「にじみ絵」を楽しみにしてくれる子どもはたくさんいます。
子ども達がもっと楽しめるように、また、職員自身もファンタジーの世界や色を楽しむことを経験するために、「にじみ絵」の園内研修を行いました。


にじみ絵は水にぬらした紙に赤、青、黄の三色の透明水彩絵の具で「色そのものを体験する」遊びです。
紙が濡れているので形を描いてもにじんでいくので、絵がうまいとか下手とかの評価はしません。また、色と色が重なったり交じり合ったりしても透明水彩絵の具は綺麗なまま新しい表情を見せてくれます。
静かな環境と自然の光の中で色から得られる様々なイメージや印象を心で感じながら、色の広がりを楽しむ時間にしています。
子どもたちには「何かを描く」よりも「色を楽しむ」ことを大事にしているので、「○○を描きましょう」といった働きかけはしていません。何かを描きたいと思う子、画用紙いっぱいに色を広げる子、色をたくさん混ぜ合わせる子、それぞれの子どもの気持ちを大切にして、好きなように描かせています。
今回は保育士を対象としているので、ある程度イメージを膨らませたり、にじみ絵の特徴をうまく使って楽しめる技法などについても勉強しました。
「うさぎ」の本質は逃げること、だから走って熱くなった体を冷やすためと敵が近づくのを察知できるために耳が大きくなっているとか、草むらの中に隠れている様子とかをイメージしながら講師の先生に教えてもらうとだんだんとそれらしい絵が出来上がっていきます。
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赤・青・黄の三色しか使っていないのに、いつの間にか草むらに隠れる野兎が浮かび上がってきました。
黄・赤の2色だけでどんな印象があるか、黄色でも濃いもの、薄いものがあり、色の違いで受けるイメージが異なることも学びました。
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次々と絵の具が紙の上で広がる様子は見ていて飽きないですね。
青も濃いものから薄いものまで、また絵の具の水分量や紙が乾く程度によって使える技法が変わってきます。
季節によって自然の姿はさまざまに形を変えていきます。また、見る人によって同じものでも違って見えるのが当然の姿です。
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出来上がった絵もそれぞれに特徴があり、「上手い・下手」ではなく、それぞれの違いを認め合って楽しみながら研修会を行うことが出来ました。
講師からは「にじみ絵は何を描いたのか子どもに聞いてはいけない。子どもの中では何かが見えているかもしれないが聞くことでそれが固定化されてしまう。そこが普通の絵と異なる点であり、にじみ絵の良さだ」と教えていただきました。
何かと目に見える形で大人は評価をしてしまいがちなのですが、子どもには子どもの世界があり、その世界を大切に出来た経験は、成長するにつれて心の奥底で沈殿し、他の何にも代えがたい貴重な財産になるものと思います。
保育園での生活ではそういった「今しか手に入れられない財産」を大切にしていきたいと思います。

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