2024年5月13日の素話(はなさかじいさん、びんのあめだま)

今年度の素話が始まりました。

すみれグループさんは何度も聞いてきたので、楽しみにしている様子です。たんぽぽグループさんは去年の後半に少し聞いたことがあるものの、まだ様子見というところでしょうか。どんな形でも良いので、「なにか楽しいことがありそう」と思って聞いてくれたら嬉しいなぁと思っています。

はなさかじいさん(すみれグループ)

有名な昔話ですね。今回は優しいおじいさんと意地悪なおじいさんがわかりやすく対比出来るようにシンプルなストーリーにしてみました。

「ここほれワンワン」というセリフはちょっとどうかな?と思ったので使いませんでした。こんなふうにセリフやストーリーを少しだけ自分らしくすることが出来るもの、絵本と違った楽しみ方です。話を聞く相手に合わせて話し方を変えるのは当たり前のことですが、たまには自分が話したい話し方をしてみるのも悪くないかもしれません。

びんのあめだま(たんぽぽグループ)

一休さんの「水飴の毒」に似た話を勝手に作ってみました。たんぽぽグループさんには少し難しいかもしれないと思って少しだけ瓶の中に手をいれるところのジェスチャーを使ってみたりしました。落語家だって扇子を使って蕎麦を食べているのだから、これぐらいはいいだろう、と気楽に考えています。

オリジナルなので原稿を載せてみます。ご興味のある方はどうぞ。

 

とあるところにとっても厳しい先生がおったんよ。
その先生はとても怖くて、「早く準備せんか!」「いつまでやっとるんだ!」「前にも言ったろう!」と何かあったらすぐに子どもたちを怒っている先生でした。

ところがその先生は机の中に秘密がありました。実は瓶の中にとっても美味しい飴玉を隠していたのです。

先生が飴玉を隠していることは子どもたちは誰も知りません。ところがある日、先生が机の中を片付けていたときに、子どもの一人が秘密の飴玉が入っている瓶を見つけたのです。

その子は「あの先生の飴玉を一つ盗んで食べてみよう」と思い、先生が帰った後にそーっと忍び込んで、先生の机から瓶を取り出し、中に手をすっぽり入れて飴玉を一つ取り出して食べてみました。すると今まで食べたことがないぐらい美味しい飴玉でした。

次の日も次の日もその子は先生がいないときに飴玉を一つ、二つと食べていきました。ところが、瓶の中の飴玉はちっとも減りません。それどころかどんどん増えているようでした。

おかしいなぁと思って、子どもが飴玉を10個掴んで取り出そうとすると、瓶の口のところで手が引っかかって抜けなくなりました。流石に取りすぎたかと思って飴玉を減らしたのですが、それでも抜けません。とにかく手を引っこ抜こうと飴玉を全部放したのに、手が抜けなくなりました。

困った子どもはそのまま手を布で隠して家に帰って寝ました。
次の日の朝、瓶の中の飴玉がますます増えていました。もう瓶の中で手を動かせないぐらいに増えていました。どうしようと思った子どもは瓶を振ってみたり、硬い石にぶつけてみたりしましたが、瓶はびくともせず傷一つ付きませんでした。

困った子どもは、明日になればなんとかなるかと思って一晩ねました。すると瓶はその子の体ぐらい大きくなっていて、もちろん瓶の中は飴玉でいっぱいでした。もう手を抜くどころか体まで押しつぶされそうな大きさになっていました。

困った子どもは先生に助けてもらうようにお願いしましたが、「人のものを盗むような子は助からんよ」と先生は行ってしまいました。その子はもう動けなくなってしまったそうです。