2023年11月6日の素話(だんまりくらべ、頭に柿の木)
秋になり、子どもたちもお話を聞くのが随分上手になりました。
どちらも何度も話しているお話ですが、少し長いお話になります。
たんぽぽグループ(だんまりくらべ)
どうしてもお話の時間に黙っていられなくて、ついついお友達にちょっかいを掛けてしまったり、話の内容に割り込んで声を出してしまう子どもがいます。毎年のことですが、ある意味楽しみ方を知らないだけなので、そういった子どもたちに「話をしないこと」の楽しさを知ってもらえればと思って、何度か話しています。
お話としては泥棒がやってくるところで思わず声を出してしまうところが、子どもたちにもわかりやすいのですが、その前のおじいさんとおばあさんが黙ったままで相手に何かを伝えようとするところも、個人的には好きな部分です。
導入で昔の遊び(だるまさんがころんだ、ずいずいずっころばしなど)を幾つか出せると、そのような遊びの一つとして「だんまりくらべ」がある、というようにすれば、子どもたちの間で楽しみの一つになるかな?とか思っています。今は子どもたちを喜ばせるためのものが溢れているので、体一つで楽しめるもの、体を動かさなくても楽しめる遊びをこのお話をきっかけに広げていきたいなと考えています。
あたまにかきのき(すみれグループ)
毎年この時期になると話をしています。
頭に柿の木が生えてくるところから、最後のオチまで全て「言葉」だけで説明して、どこまで子どもたちが付いてくるか?は毎年の楽しみになっています。
子どもたちも初めはなんだかよくわからない話というふうに聞いているのですが、「柿~かきはいらんかぇ~、頭に生えた◯◯の珍しい◯◯~、美味しい◯◯~」というフレーズを種類を変えて何度も繰り返すと、段々と先が読めるようになり、次は何が来るのか?を楽しみにしてくれます。
不思議な世界の中で最後には誰も傷つけないようにそっと一人で暮らしていく男の哀愁も実は結構気に入っています。
長かった~、面白かった~、ぽかーん
子どもたちが話を聞き終えると、「長かった~」や「面白かった~」といった感想を言ってくれることがあります。逆に「ぽかーん」としたままよく分からなかったという表情をしている子もいます。「やっと終わった・・・。」とちょっと疲れた顔で自分のしたい遊びに戻る子もいます。
どんな反応でも良いと思います。お話を聞いたときのその子にピッタリ合うお話であれば、きっとその子は楽しめますし、ピントが合っていなければそれは楽しめないでしょう。それでもお話の時間がいつもあるものとして、子どもたちの心の何処かに静かに流れていれば、きっと将来どこかで花開く事があると思っています。
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