雑誌「保育の友」に当園の素話の取り組みが紹介されました

全国社会福祉協議会出版部が発行する保育情報誌「保育の友」に、当園の素話の取り組みが紹介されました。

2023年5月号の特集「ワンランクアップを目指す絵本・紙芝居・素話」というテーマで紹介されています。

素話は前園長から引き続き取り組んできたものですが、子ども達と自分が一緒になって楽しめるようなものになったらいいなぁと考えて続けています。

なかなか時間を作れずにお話ができないこともあるのですが、出来るときには子ども達に合わせて、子ども達が「いつもとはちょっとだけ違う楽しい時間」になればいいなと考えて、日頃から話のネタを探しています。

雑誌の中でも書いてありますが、「子どもが聞く落語」のようなイメージで話をするように心がけています。落語は噺家の話だけでその世界に引き込んでいき、面白かったり、怖かったり、悲しくなったり、じんわり温かくなったりするエンターテインメントです。

もちろん、プロの噺家のような技術が無い私が素話をするのですから、そこまで楽しめるものにはなりません。それでも子ども達が「ちょっとおもしろかったな」と思ってくれればそれでいいのではないか、と気楽に構えて続けています。

 

最近は「話を聞けない子どもが増えている」ということはよく聞くと思います。なぜ話が聞けないのか?を考えたときに、「話がつまらないから聞けないのかもしれない」と気付きました。

話が聞けない子どもにとっての「面白い」と感じるポイントが大人の想定と違っているときに「話を聞けない子ども」になるのだとすると、その子が「面白い」と感じるポイントにハマれば、どんな子どもでも「話を聞ける子ども」になるわけです。

なんとも話す側に求められることが多くなりました。おそらく昔はそんなこと気にしなかったのでしょう。今は子どもが減り、情報が溢れた時代です。子どもが「面白い」と感じることも多種多様になっているのだと思います。

 

もう一つは「誰が話すか?」によって子どもが話を聞くかどうかも決まってくるのだと思います。これも「聞いているフリ」をするのではなく「聴きたいから聞く」ことが大切です。

子ども達は素直です。やりたくないことはやらないし、聞きたくない人の話は聞きません。いや、聞いているフリをすることはありますがおそらく頭や心には殆ど残っていないと思います。だからこそ、「この人の言うことを聞きたい」という関係づくりが大切なのだと思っています。そのためには「なんだか楽しい時間だった」と思えることが第一歩として大切なのだと思います。

 

子ども達がどんなことを面白いと思っていて、どんな関係性が作れれば「面白いかもしれない」と話を聞く姿勢になるのかを考えていくことは、とてもワクワクします。まるで未知の世界を歩いていくようなドキドキ感です。何が起きるか分からない。でもきっとその先には何か新しい世界が待っているはずと思いながら、子どもたちの前で話をしています。

上手くハマったときには宝物を見つけた気がしますし、全然楽しんでなさそうだったり集中できていない様子のときには、道に迷った気持ちになります。そんな毎回がアドベンチャーな気持ちになる素話をこれからも、細く長く続けていけたらいいなと思っています。