2022年5月9日の素話(三匹のこぶた)

今日は新しいすみれさんとたんぽぽさんたちへ初めてお話をする日でした。

子ども達にも馴染みの深いお話として「三匹の小ブタ」を選びました。初めてなので少し緊張している様子でしたが、静かに聞いてくれました。

すみれグループの子ども達には「そのお話知ってる~」と言われてしまったので、以前した「かっぱのお話」もしました。流石にお話2つは多かったようです。これから1年間、子ども達が「お話を聞いてみたい」と思えるように、子ども達から受け取るメッセージを拾い上げていければと思います。

お話

お母さんブタが三匹の小ブタの兄弟に言いました。

「そろそろ自分の家を建てて一人で暮らしなさい」

一番上の小ブタは、牧場で藁を集めてあっという間に藁の家を建てました。

二番目の小ブタは、森で木を集めて少しの時間で木の家を建てました。

お兄さんブタたちが三番目の小ブタの様子を見に行くと、家はちっともできていませんでした。

三番目の小ブタは「よいしょ、よいしょ」と一生懸命に重たいレンガを積み上げています。そうして、まる1日かけて丈夫な家を建てました。

その様子を遠くからオオカミが見ていました。「うまそうな小ブタがいるぞ。一匹残らず食べてしまおう」そう言うと、オオカミは一番上の小ブタの家に近づきました。

「こんな家一息で吹き飛ばしてやる」オオカミは「ふぅー」っと力いっぱい息を吹きかけるとバラバラバラっと藁の家は吹き飛んでしまいました。怖くなった一番上の小ブタは二番目の小ブタの家に逃げ込みました。

オオカミは二番目の小ブタの家に近づきました。「こんな家一息で吹き飛ばしてやる」オオカミは「ふぅー」っと力いっぱい息を吹きかけましたが、木の家はびくともしません。「だったら体当りして壊してやる」オオカミは走って木の家にぶつかってきました。すると木の家はバラバラバラっと崩れてしまいました。怖くなった一番上の小ブタと二番目の小ブタは、三番目の小ブタの家に逃げ込みました。

「こんな家一息で吹き飛ばしてやる」オオカミは「ふぅー」っと力いっぱい息を吹きかけましたが、レンガの家はびくともしません。「だったら体当りして壊してやる」オオカミは走ってレンガの家にぶつかってきましたが、レンガの家はびくともしません。それどころかオオカミは家にぶつかって怪我をしてしまいました。

それでもどうにかして三匹の小ブタを食べたいオオカミは、家をグルっと回って考えました。すると煙突があることに気づきました。「あそこから入っていって食べてしまおう」そう言うとエッホエッホとレンガの家の屋根に登り始めました。

3匹の小ブタたちは大慌てで暖炉に火を付けて、大鍋にお湯を沸かしました。ちょうどお湯が湧いた頃、オオカミが煙突から降りてきて、大鍋の中にバシャーンと落ちました。大やけどをしたオオカミは「こんなところ二度とくるもんか」と涙を流して逃げていきました。

こうして3匹の小ブタは兄弟仲良く暮らしました。