2020年6月8日の素話

この日のお話

昔々あるところに正直者のおじいさんとおばあさんが住んでいました。二人には子どもがいなかったので、シロという1匹の真っ白な犬をとても可愛がっていました。

ある日おじいさんが畑で仕事をしていると、畑についてきたシロがおじいさんの足を引っ張ってワンワン鳴き始めました。不思議だなぁと思って、シロが引っ張っていく方についていくと、畑の真ん中でシロがワンワン鳴きました。

それはまるで「ここほれワンワン、ここほれワンワン」と言っているようでしたので、おじいさんはシロが鳴くところをせっせと掘り返してみると、中からお金が沢山出てきて、大金持ちになりました。

それを聞いた、お隣の意地悪爺さんが「畑の手伝いにシロを貸してほしい」と言ってきました。正直なおじいさんは「いいですよ」とシロを貸してやりました。すると意地悪爺さんはシロを自分の畑に無理やり引っ張って「さあ、俺の畑にもお金が埋まっているはずだから、早く教えろ」と言いました。

苦しくなったシロは仕方なく「ワンワンワン」と小さな声で鳴きました。意地悪爺さんがシロが鳴くところを一生懸命掘り返しましたが、出てくるのはゴミや石だけでした。怒った意地悪爺さんは、シロを叩いて殺してしましました。

正直なおじいさんはシロが死んでしまってとても悲しんだので、畑の側に埋めてやりました。すると次の日にはシロを埋めたところに1本のとても立派な木が育っていました。喜んだ正直なおじいさんは、その木を少し切って、臼を作って、お餅をついて食べようと思いました。

ぺったんぺったんお餅をついていると不思議なことに、お餅がお金に変わりました。正直なおじいさんとおばあさんはまたまた大金持ちになりました。

それを見ていた意地悪爺さんは、「お祭りのためにお餅をつきたいんだが、ちょっとその臼を貸してほしい」と言ってきました。正直なおじいさんは「いいですよ」と臼を貸してやりました。

意地悪爺さんがその臼でぺったんぺったん餅をついてみると、なぜだか餅が石ころに変わってしまいました。怒った意地悪爺さんは、その臼を燃やしてしまいました。

大切な臼を焼かれてしまった正直者のおじいさんは燃えて残った灰を持って帰ろうとしたところ、その灰が風に吹かれて飛んでいきました。すると近くの枯れ木にたくさんの花が咲きました。

正直なおじいさんは嬉しくなって「枯れ木に花を咲かせましょう」と歌いながら、たくさんの枯れ木に花を咲かせて、みんなを喜ばせました。ちょうどそこにお殿様が通りかかって、正直なおじいさんにご褒美をくれました。

それを見ていた意地悪爺さんは正直なおじいさんから灰を奪って、お殿様にこう言いました。「お殿様、実はこの灰は私が見つけたものです。見ていてください。この枯れ木に花を咲かせてみせます」そう言うと全部の灰をあたり一面にばらまいたのです。大変なことに、お殿様の顔にもたくさん灰がかかりました。

怒ったお殿様は意地悪爺さんを捕まえて牢屋に閉じ込めてしまったということです。

おしまい

もう少しだけ

有名な昔話ですね。子どもたちの中には絵本や紙芝居で聞いたことがある子もいたかもしれません。

素話なので、目の前には私しかいません。まだイメージをふくらませることが難しい子どもたちのために表情に少しだけ工夫をしましたが、基本的には言葉からイメージが出来ている子どもたちが多かったと思います。

シロが死んでしまった時に「可哀そう。。。」という声が聞こえてきたり、何度も意地悪爺さんが横取りしようとしてきた時に「えぇ~」と不満そうな声が聞こえてきたりしました。

お話の登場人物は少し多いのですが、頭の中にしっかりとイメージできているので、楽しんでくれたように思います。

この日はいつものそらルームではなく、ウッドデッキでお話をしてみました。まだ乾いた風が気持ちよく吹いている時だったのでこんな素話もいいなぁと思った日でした。